簡単セルフマッサージの方法
全身にはさまざまなリンパやツボがあるため、正しく刺激を与えると疲労回復やリラックス効果が期待できます。
セルフマッサージをする際は、手や身体を清潔にしてから行いましょう。また、気分が悪くなったり、痛みを感じる場合は無理に行わず、マッサージを控えましょう。
顔のマッサージ
目の周りには小さな筋肉が集まっているため、筋肉をほぐすことで目のトラブル緩和につながります。ここでは、目の疲れに効果があるツボを2つご紹介します。
太陽
こめかみの目尻近くにあるくぼみには、「太陽」と呼ばれるツボがあります。指の腹でゆっくり刺激すると、眼精疲労や頭痛、目の充血に効果が期待できます。
睛明(せいめい)
鼻の付け根寄りの目頭の少し上には、「睛明」と呼ばれるツボがあります。親指の腹で、押し上げるように刺激すると目の疲れや充血、かすみなどへの効果が期待できます。
肩のマッサージ
肩こりは、同じ姿勢を続けることで肩の筋肉が緊張し、血行が悪くなることで起こります。特に、肩の上にある僧帽筋の緊張は、肩こりの原因になりやすいと言われています。
肩のリンパストレッチ
1.身体をまっすぐにした状態で、両肩を上げて肩をすくめるポーズをとる。
2.5秒間キープ。
3.肩をストンと落として元の状態に戻す。これを5回ほど繰り返す。
さらに、腕を曲げて両肩をぐるぐると回すことも効果的!(前後に5回~10回ほど)
肩井
首の付け根と肩先を結んだ中央には、「肩井」と呼ばれるツボがあります。指の腹でゆっくり押すことで、肩こりの解消が期待できます。
足のマッサージ
心臓から遠い足は、血液やリンパの流れが滞りやすいです。そのため余分な水分が回収されずにむくみがでやすくなります。
ふくらはぎ
特にふくらはぎは「第二の心臓」と言われるように、血液を上へ押し戻す役割があります。ふくらはぎのマッサージを行い、リンパの流れをよくすることで、むくみ解消が期待できます。
足首からふくらはぎにかけて、やさしくさすってみましょう。ひざの裏には「膝窩(しっか)リンパ節」があるため、リンパの流れをよくすることができます。
湧泉
足の指を曲げたときに、足の裏で最もへこむ場所に「湧泉」と呼ばれるツボがあります。親指の腹で押し上げるようにマッサージすることで、疲労回復や血行をよくする効果が期待できます。
施術内容の種類は?
マッサージと一言で言っても、施術内容にはさまざまな種類があり、方法や効果、特徴などはそれぞれ異なります。代表的なものをご紹介するので、興味があるものをぜひ探してみてください。
アロマテラピー
植物から抽出した香り成分の「精油(エッセンシャルオイル)」を使った自然療法のことで、健康や美容に役立てられています。
精油は身体に塗ったり香りを嗅いだりすることで、心と身体をリラックスさせる効果があります。他にも、精油にはホルモンの分泌を調整する作用や消化促進作用、抗菌・抗ウイルス作用などをもたらします。
精油にはさまざまな種類があり、それぞれに効果があります。
ラベンダー
鎮静作用があり、リラックスを促します。
オレンジ・スイート
神経の緊張を緩めるため、イライラ解消や質の高い睡眠効果が期待できます。
ペパーミント
リフレッシュ作用があり、眠気を抑えます。鼻やのどをすっきりさせて、コンディションを整える効果もあります。
リンパマッサージ
人間の身体の中には、リンパ管という管が通っており、その中をリンパ液という液体がめぐっています。このリンパに対して刺激を与えることで、溜まった老廃物や毒素が流れ、身体の調子を整えます。
リンパは、顔や鎖骨、腕、腹、足など全身をめぐっており、刺激を与える場所によってさまざまな効果が期待できます。
鎖骨リンパ節
鎖骨あたりにある鎖骨リンパ節を正しく刺激すると、老廃物が流れて首や肩こりの解消につながります。
腸リンパ
お腹の大部分に広がる腸リンパを正しく刺激すると、腸内環境が整えられ新陳代謝の向上が期待できます。
足のリンパ
足の裏やかかと、指先には細かいリンパ網が広がっています。心臓から遠いためリンパの流れが悪くなりやすい場所ですが、正しく刺激を与えると身体の代謝アップにつながります。
整体
骨盤、肩甲骨などの体のズレを矯正することで、身体全体のバランスを整えて、自然治癒力を高めます。
骨格を調整することで、慢性的に抱える身体の痛みを改善したり、正しい姿勢を保ちやすくなったりします。正しい姿勢で過ごすことは、内臓の働きや血液循環がよくなり、自然治癒力の向上につながります。
また、筋肉に対するアプローチとして、揉みほぐしも効果的です。手のひらや指、肘などで身体を押したり圧を加えたりして、筋肉を整えます。リフレッシュ効果が期待でき、日常の疲れやストレスを解消したいときに用いられます。
柔道整復術
手技を用いて、打撲・捻挫・脱臼(だっきゅう)・骨折などのケガの回復を図ります。日本古来の武術である柔術には、殺法と活法があります。傷ついた人を蘇生したり治療したりする活法が発展し、柔道整復術として現代に伝えられました。
柔道整復術では、脱臼や捻挫をした場合にも、手技で関節のずれを正しい状態に戻すことができ、外科手術や薬を使わずに、ケガにアプローチできます。専門知識やスキルが必要となる方法のため、柔道整復師になるには、国家資格の取得が必須です。
指圧
もんだり叩いたりせず、手指や手の平で身体に圧を加える日本発祥の手技療法です。人間の身体にある「ツボ」と呼ばれる指圧点に圧を加えることで、血液の流れを整えたり筋肉のコリをほぐしたりします。ツボの押し方には、さまざまな方法や力加減、スピード、リズムなどがあり、関節や内臓の動きをよくする効果もあります。人に対して指圧を行う場合は、国家資格の「あん摩マッサージ指圧師」が必要になります。
あん摩
あん摩は中国から日本へ伝わったと言われ、押す・もむ・さする・なでる・叩くことでリンパの流れを改善して、さまざまな身体の症状にアプローチします。身体の中心(心臓)から遠方(手・足など)に向かって施術を行い、疲労や肩こり、神経過敏、食欲不振、不眠などの症状に効果があると言われています。人に対してあん摩を行う場合には、国家資格の「あん摩マッサージ指圧師」が必須です。
他にはどんなマッサージがある?
カイロプラクティック
身体の構造や機能に注目した手技療法です。薬や手術を用いず、骨格のゆがみを調整することで、腰痛、頭痛、肩こり、むちうち、関節の痛みなどにアプローチします。
リフレクソロジー
足の裏などにある反射区を刺激して、血液やリンパを流す足裏健康法です。肩こりや腰痛の改善、ホルモンバランスの調整、リラクセーション効果などが期待できます。
鍼灸
鍼や灸でツボを刺激して、病気や身体の不調を予防・治療する東洋医学です。鍼灸を行うには、国家資格の「はり師」「きゅう師」が必要になります。
セルフマッサージを学ぶメリットは?
健康や美容面の効果
アロマテラピーやリンパマッサージなどの施術は、身体の調子を整える効果があり、健康や美容に役立ちます。
「デスクワークでいつも肩や腰が凝っている」「立ち仕事で足がむくみやすい」などの身体の不調に悩んでいる方は、セルフマッサージをすることで症状の改善が期待できます。「仕事柄、肩こりは仕方がない…」と諦めずに、ご自身の身体のメンテナンスをしてみてはいかがでしょうか。
また、美容に関心がある方にもセルフマッサージは効果的です。「最近むくみやすいな…」「美容のために自分でできることはないかな?」と考えている方は、セルフマッサージで自分磨きをしてみてはいかがでしょうか。むくみの解消や血行の改善、しわ・シミの予防、小顔効果などさまざまな作用が期待できます。
自分でケアができる
健康のために整体院や接骨院に通う、美容のためにエステサロンに通うという方法もありますが、セルフマッサージを身につければ自分でケアができるようになります。
定期的に整体院やエステサロンに通うとなると、予定が合わなかったり出費が気になったりしますが、セルフマッサージなら自宅にいながらあまりお金をかけずにメンテナンスが可能です。
どんなによい施術でも、1度受けただけでは効果が発揮しなかったり不調が再発したりしてしまいます。日常にセルフマッサージを取り入れることで、長期的な効果が期待できます。
家族のケアができる
「最近、家族や恋人が疲れている」「肩こりなどの症状が辛そう」というときにも、セルフマッサージのスキルを活かすことができます。辛い症状の緩和だけでなく、施術を通してスキンシップを行うことで、ストレス解消やリラックス効果が期待できます。
セルフマッサージは独学で学べる?
セルフマッサージは独学で学ぶことは可能です。勉強方法や独学で学ぶ際のメリット・デメリットをご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
独学の方法
書籍
書店や図書館などには、自分でできるマッサージの書籍が並んでいます。身体のツボやリンパマッサージ、ストレッチ方法などさまざまな書籍があるため、興味がある内容や読みやすいものを探してみましょう。
動画
手技のやり方や強さ、リズムなどは書籍だけでは理解しにくいところがあるかもしれません。DVD教材やオンラインレッスン、「YouTube」などの動画でもセルフマッサージの方法を勉強することは可能です。
プロの施術
整体院やリラクゼーションサロンなどで実際にプロの施術を受けることも勉強の一環になります。書籍や動画などで勉強した上でプロの施術を受ければ、力加減や動作などをより具体的に確認できます。
独学で学ぶメリット
費用をおさえて勉強できる
スクールや通信教材を利用するとなると、ある程度費用がかかりますが、書籍や動画などを活用して独学で勉強すれば費用をおさえることができます。「興味はあるけれど、いきなりスクールに通うのはハードルが高い」「スクールを続けられるか、まだ自信がない」という方は、まずは書籍や動画で勉強を始めてみてはいかがでしょうか。
気軽に始められる
スクールや通信教材などで勉強する場合、学校を探したりスケジュールを決めて勉強したりと、なかなか気軽に始めにくいと感じる方もいると思います。しかし、独学の場合は、仕事帰りに書店に寄ったりちょっとした空き時間に動画を見たりと、簡単に勉強を始めることができます。書店をのぞいてみる、動画を検索してみることも、勉強の第一歩になります。
自分のペースで勉強できる
スクールに通う場合は、決められた時間に通う必要があり、仕事やプライベートのスケジュールと調整しなければいけません。独学の場合は、すきま時間に勉強したり、忙しい期間は勉強を辞めたりと自分のペースで勉強ができるため、無理なく学習を続けられます。
独学で学ぶデメリット
間違った知識を覚えるかもしれない<
独学の場合、間違った知識を覚えるかもしれない点は注意が必要です。自分一人で学習するため、勘違いして学習してしまったり、古い情報を覚えてしまったりする可能性があります。間違ったスキルで施術をすると、症状を悪化させたり身体を痛めたりと逆効果になる恐れがあります。
また、インターネット上の記事や動画など、無料で手に入れた情報の中には誤った情報が紛れている可能性もあります。記事や動画などで勉強する際は、専門家が発信したり監修したりしているもの、最新の情報などを参考にすることがおすすめです。
質問相手がいない
刺激を与える場所や力加減など、書籍や動画を見ただけでは理解しにくいところもあるかもしれません。独学の場合は、分からないことがあったときに質問相手がいないため、正しい知識を身につけにくかったり、勉強に時間がかかったりする可能性があります。
資格取得や専門知識を身につけることが難しい
資格取得や専門知識を身につけたい方は、独学では限界があります。資格の中には、学校やスクールに通ったり通信講座を受講したりしないと資格試験を受けられないものがあります。「資格取得に挑戦したい」「専門知識を身につけて仕事にしたい」と考える方は、独学ではなく、本格的に勉強を始めることをおすすめします。
しっかり勉強したいときは?
「正しい知識を身につけたい」「資格を取得して活用したい」と考える方は、通信講座やスクールでの学習がおすすめです。
スクールでは、プロの講師の講習の下で正しいスキルを身につけられます。分からないところがある場合も、プロの講師への質問が可能で、実践的なスキルを学習しやすい環境です。
通信講座では、スクールより費用をおさえられる、比較的自分のペースで学習しやすいといったメリットがあります。質問ができるサポート体制を活用することで、分からないところがあっても安心して質問ができます。また、添削課題がある場合は、正しい知識を身につけているか確認でき、苦手分野への理解も進みます。
マッサージを学べる資格は?
本格的に勉強してみたい方は、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。さまざまな施術内容の資格があるため、ぜひ、興味があるものを探してみてください。
整体ボディケアセラピスト®
日本能力開発推進協会による資格で、身体の仕組みや施術テクニックを身につけていることを証明します。リラクセーション業界や美容業界、医療・福祉関係の方にも役立つ資格です。
取得方法
認定教育機関などが行う教育訓練でカリキュラムを修了した後、試験に合格することで資格を取得できます。試験は得点率70パーセント以上で合格になります。
受験料:5,600円(税込)
学習内容
幅広い整体の知識と施術スキルを学習します。
・整体に必要な基礎知識
・身体の不調の原因を特定する分析方法
・身体の部位ごとの施術方法
スクールの期間・費用
キャリカレ「整体ボディケアセラピスト®資格取得講座」
平均学習期間:約3ヶ月
費用:26,800円(税込)
アロマテラピー検定
AEAJ(日本アロマ環境協会)が認定する資格で、アロマテラピーの基礎知識を学べます。1級・2級の2種類があります。家庭だけでなく、ビジネスシーンや医療・介護の現場でも活用が期待されています。
取得方法
選択解答式のインターネット試験に合格することで資格を取得できます。尚、正答率80パーセントが合格基準になります。
受験料:2級 6,600円(税込)/1級 6,600円(税込)
学習内容
アロマテラピーに関する正しい知識を学習します。
2級の場合
・アロマテラピーの基本
・精油について
・アロマテラピーの安全性
・アロマテラピーの実践 など
学習方法
スクールや通信講座の受講は必須ではないため、独学での受験が可能です。1級・2級に対応する公式テキストと問題集が販売されています。
リンパケアセラピスト
日本能力開発推進協会による資格で、身体の仕組みに関する基礎知識やリンパトリートメントのスキルを身につけたプロのセラピストであることを証明します。精油に関する専門的な知識も学習できる資格です。
取得方法
認定教育機関などが行う教育訓練ですべてのカリキュラムを修了した後、試験に合格することで資格を取得できます。尚、試験は得点率70パーセント以上で合格です。
受験料:5,600円(税込)
学習内容
リンパケアセラピストに必要な知識とスキルを学習します。
・身体の仕組み
・アロマオイル、キャリアオイルの基礎知識
・リンパケアの基礎知識
・リンパケアテクニック
・リンパケアの応用
スクールの期間・費用
キャリカレ「リンパケアセラピスト資格取得講座」
平均学習期間:約5ヶ月
費用:26,600円(税込)
JREC 日本リフレクソロジスト認定機構資格
JREC日本リフレクソロジスト認定機構による資格で、レギュラークラス、マスタークラス、トップインストラクター、サポートケア・デイリーケア・リフレクソロジストの4種類があります。
取得方法
JREC加盟スクールでカリキュラムを修了した後、試験に合格し会員登録することでライセンスを取得できます。
登録審査受験料:11,000円(税込)(レギュラークラスの場合)
注意:別途登録料や年会費が必要になります。
学習内容
リフレクソロジーの基礎知識と技術を学習します。
・リフレクソロジーの概要
・解剖整理
・栄養の働き
・反射区の知識など
・JRECのリフレクソロジーに必要な基礎知識 など
スクール情報
JRECリフレクソロジースクール(直営校)では、通信講座とスクーリングを開講しています。また、全国に加盟スクール・教室があり、少人数制の講座が開講されています。
国際ホリスティックセラピー協会(IHTA)リラクゼーションセラピスト1級
国際ホリスティックセラピー協会による資格で、業界に携わるセラピストの検定試験が行われています。
取得方法
実技試験と学科試験に合格することで認定証が発行されます。詳しい受講料は協会にお問い合わせください。
学習内容
整体師として活躍するのに必要なスキルを学びます。
・揉みほぐし
・全身の筋肉調整のスキル
・問診
・接客方法 など
スクールの期間・費用
YMCメディカルトレーナーズスクール「整体師【2級】」
平均学習期間:約2ヶ月(週に2回通学した場合)
費用:368,000円
オリエンタルリンパドレナージュセラピスト
インターナショナル美容鍼灸協会による資格で、ツボとリンパを融合させたメソッドを学習できます。
取得方法
「オリエンタルリンパドレナージュ」を受講し、すべての添削課題に合格することで資格を取得できます。
学習内容
フルボディケアのコースでは、西洋のリンパドレナージュに中医学と美容鍼の要素を取り入れた知識・技術を学習します。
・中医学の基礎知識
・リンパドレナージュの基礎技術
・セルフケアの方法
・お客さまへの施術方法
・サロン開業までの準備とノウハウ
スクールの期間・費用
ヒューマンアカデミー「オリエンタルリンパドレナージュ フルボディケア」
平均学習期間:約5ヶ月
費用:59,535円(税込)
スクールや通信講座がおすすめな人は?
正しい知識を身につけたい人
独学でセルフマッサージを学習すると、誤った知識を身につけてしまうこともあります。「正しい知識で健康や美容に活用したい」「家族や恋人に正しい方法でマッサージしたい」と考える方は、スクールや通信講座でしっかりと学ぶことがおすすめです。
何から勉強していいか分からない人
施術内容にはたくさんの種類があり、リンパマッサージやアロマテラピーなどさまざまな施術内容があります。「どんなテキストで勉強したらよいのか分からない」「何から始めればいいのか分からない」という方は、今回ご紹介した資格を参考に勉強を始めてみてはいかがでしょうか。
仕事や独立開業につなげたい人
施術スキルをゆくゆくは仕事に活かしたいと考えている方は、スクールや通信講座がおすすめです。プロの講師から学ぶことで、仕事で長く使えるスキルを培えます。また、資格を持っていると、働く際にご自身のスキルを証明することができます。
まとめ
セルフマッサージは、日々の健康や美容に活かすことができます。独学で学ぶこともできますが、「詳しく勉強してみたい」「正しい知識を身につけたい」と考える方は、ぜひスクールや通信講座での学習を検討してみてください。