簿記2級の合格に必要な勉強時間は?
学習方法 | 必要な勉強時間 |
---|---|
簿記3級保持者が独学で目指す場合 | 250~350時間 |
簿記3級保持者が通学・通信講座で学ぶ場合 | 150~250時間 |
簿記未経験者が独学で目指す場合 | 350~500時間 |
簿記未経験者が通学・通信講座で学ぶ場合 | 250~350時間 |
独学で2級と3級を同時に目指す場合 | 400~500時間 |
通学・通信講座で2級と3級を同時に目指す場合 | 300~400時間 |
簿記3級保持者が独学で目指す場合
簿記3級の資格を持っている場合の、独学での勉強時間は約250~350時間です。
4~6ヶ月ほどは学習期間が必要になるでしょう。
3級取得からまだ日が浅い場合は、基礎内容を覚えているためより短い時間で合格できる場合もあります。
ただし、簿記3級から試験範囲が広がり難易度が上がっているため、油断せず学習に取り組むことをおすすめします。
さらに詳しく 社会人におすすめする簿記2級の勉強スケジュール
簿記3級保持者が通学・通信講座で学ぶ場合
通学・通信講座を利用した場合、150時間~250時間と、独学で勉強するよりも100時間ほど短い時間で合格を目指すことができます。
通学・通信講座では最新の傾向に即した教材で効率的に学ぶことができ、講師によるサポートも充実しているため、独学より早く合格を目指せるでしょう。
短期間で合格を目指したい場合や、1日の勉強時間を減らしたい方などは通学・通信講座を利用することをおすすめします。
簿記未経験者が独学で目指す場合
簿記を初めて学ぶ方が簿記2級から目指していく方が独学で簿記2級を取得するには350~500時間必要になります。
既に簿記3級で基礎を身につけている場合と比較すると、独学の難易度がぐっと高くなるでしょう。
独学では誰かにアドバイスをもらうことができないため、テキスト選びや勉強法など、事前の準備によってその後の勉強時間も変わってきます。
簿記2級から独学で取得を目指す方は、評価の高いテキストなど勉強方法をしっかり確認し、受験までのスケジュールを計画しておくことをおすすめします。
「いきなり簿記2級から取れるのか不安」という方は、簿記2級の基礎となる部分が学べる簿記3級から合格を目指してみるのも一つの手段です。
関連記事 簿記3級の勉強時間
簿記未経験者が通学・通信講座で学ぶ場合
通学・通信講座利用した場合、250~350時間で、こちらも独学の場合と比較すると100時間ほど短い時間で資格取得を目指せます。
初めて簿記を勉強する方は、学習を進めるコツなどをご存知ない場合が多いと思います。通学・通信講座を利用することで効率的に勉強することができるようになるでしょう。
未経験から始める場合、わからないことをすぐに聞ける通学・通信講座のほうがスムーズに勉強を続けられるかもしれませんね。
独学で2級と3級を同時に目指す場合
独学で2級と3級を同時に受験する場合は、400~500時間必要とされています。
まずは簿記3級の出題範囲で商業簿記の基本を身につけてから、簿記2級の出題範囲へ学習を進めていくと理解しやすいでしょう。
学ぶべき内容は重なる部分もあるので、3級の勉強に時間をかけすぎず、2級の勉強を中心に進めていきましょう。
先に簿記3級の合格を目指し、基礎が身についたことを確認してから簿記2級に挑戦する方法も有効です。
通学・通信講座で2級と3級を同時に目指す場合
2級と3級の同時合格を目指す場合、通学・通信講座を利用しても300~400時間は必要になります。
事前にしっかりと学習計画を立てて試験に臨む必要があるでしょう。
スクールによっては、簿記3級・2級の同時合格を目指せる講座を開講しています。
簿記を初めて学ぶ方が一から合格を目指せるカリキュラムを用意しているため、確実に合格を目指したい方は講座受講も検討してみると良いでしょう。
簿記1級、簿記3級の勉強時間と比較
参考までに簿記2級と上位級の簿記1級、下位級の簿記3級の勉強時間を比較してみましょう。
簿記1級の勉強時間
簿記1級の合格に必要な勉強時間は、800~1,000時間といわれています。
独学で合格を目指す場合、1年以上の学習が必要になることも少なくないようです。
簿記1級は非常に高度な知識を求められるため、簿記2級の勉強時間と比較しても多くの時間が必要になります。
時間数に幅があるのは、以下のような点で差が出やすいことが理由です。
- 身についている知識のレベル
- 勉強時間の使い方
- 勉強方法
簿記2級合格レベルの知識を持った状態で学習することでも勉強時間の短縮を図れるでしょう。
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簿記3級の勉強時間
簿記3級の合格に必要な勉強時間は、独学で目指す場合も100時間程度といわれています。
会計の入門資格的な位置づけのため、簿記2級と比較すると短い勉強時間で取得を目指すことができます。
簿記3級を取得してから簿記2級を目指す方も多くいらっしゃいます。
簿記を学んだ経験のない方はまず簿記3級から取得を目指すと知識の土台を身につけた状態で簿記2級の学習を始められるでしょう。
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社会人におすすめする簿記2級の勉強スケジュール
初めて学ぶ方が独学で簿記2級合格を目指す場合、一般的に350~500時間の勉強時間が必要とされています。
これは、1日に2~3時間、1週間に17~18時間勉強したとして約半年かかる計算になります。
仕事や家事に忙しい社会人の方は、1日に2~3時間程度の勉強時間と見積もるのが妥当でしょう。
最低でも6ヶ月前から勉強を始めることをおすすめします。
既に簿記3級を取得している方は、同様に1日2~3時間程度勉強した場合、4~6ヶ月の学習が必要になる計算です。
1日2時間勉強した場合の学習スケジュール
対象者 | 学習方法 | 学習期間 |
---|---|---|
初めて学ぶ方 | 独学 | 6ヶ月~ |
初めて学ぶ方 | 通学・通信講座 | 4ヶ月~ |
簿記3級取得者 | 独学 | 4ヶ月~ |
簿記3級取得者 | 通学・通信講座 | 2ヶ月半~ |
仕事の都合やプライベートの事情などによって毎週コンスタントに勉強時間を取ることが難しくなる場合も考えられます。
簿記2級の勉強を始める前に自身の生活リズムを振り返り、可能な限り余裕をもった学習計画を立てることをおすすめします。
ここでは、社会人におすすめする6ヶ月間で簿記2級合格を目指すためのおすすめ勉強スケジュールを紹介します。
1~2ヶ月目 工業簿記を学習
最初の2か月は工業簿記を勉強します。
最初の1週間はテキストを読みましょう。ノートにまとめたり、要点を暗記したりはしなくて大丈夫です。
テキストを最初から最後まで繰り返し読んで、これから自分が勉強することのイメージを持てるようにしましょう。
テキストの内容がある程度把握できたら、問題集に取り掛かります。
簿記は覚えることが膨大で、インプットに時間をかけているとあっという間に時間が足りなくなってしまいます。
簿記の勉強の基本はアウトプットに置き、どんどん問題を解いてわからないところはテキストや解説で勉強するのが効率的です。
3~4ヶ月目 商業簿記を学習する
次の2か月間は商業簿記を勉強します。
こちらも工業簿記同様、テキストを読んである程度学ぶ内容を把握したら、どんどん問題を解いていきましょう。
5~6ヶ月目 過去問を繰り返し解く
最後の2か月はひたすら過去問を解きましょう。最低でも過去5年分を3週はしておきたいですね。過去問を解く中で何度やっても正解できない部分があれば、そこがあなたの苦手分野です。
この期間に克服できるようもう一度テキストを読み返して、ノートなどにまとめましょう。
過去問を解く際はぜひ、実際の試験と同じように時間を計りながらやってみてください。
最後の2週間 学習内容を振り返り、苦手を克服
最後の2週間は焦って新しいテキストや難しい問題にとり組もうとする方もいますが、焦りや混乱が生まれ逆効果です。
過去問対策をつづけながら、スキマ時間で苦手なところをまとめたノートを見返したり、単純な暗記に取り組んだりして試験に備えましょう。
この時期は体調管理も大切です。試験当日を意識して早寝早起きに努め、せっかくの努力が無駄にならないよう体調管理を徹底しましょう。
簿記2級に独学で合格するのは厳しい?
簿記2級の合格率は20%前後。3級以上に難易度が高い
簿記2級に独学で合格している方もいらっしゃいますので、不可能なことではありません。
しかし、簿記2級の合格率は20%前後と低く、合格率40%前後の簿記3級と比較して難易度が高い資格です。
関連記事 簿記2級の難易度・合格率
出典 日本商工会議所 簿記2級 受験者データ
簿記2級が難しい理由
簿記2級の試験では、経営管理や経営分析の実務に活かせるような知識を求められます。
簿記3級と比較すると試験範囲が広くなり、難易度も上がります。
商業簿記では、3級までの出題範囲に「本支店会計」「連結会計」など、より専門的な内容が加わります。
商業簿記以外にも工業簿記が範囲に加わり、演習問題も複雑になっています。
独学で合格するためには簿記3級への独学合格以上に努力が必要になるでしょう。
短期間で確実に合格したい場合は通信講座や通学講座などを利用し、より効率的に学習することをおすすめします。
独学で合格を目指す場合は、まず簿記3級の試験範囲を完璧に理解できるようにしておくと良いでしょう。
1ヶ月で簿記2級に合格できる?
実際に簿記2級に1ヶ月で合格している人もいますので、不可能ではありません。
しかし、必要な勉強時間を考えると相応の努力が必要になるでしょう。
簿記を初めて学ぶ方が独学で簿記2級に合格するためには、350~500時間程度の勉強が必要になります。
1ヶ月毎日勉強するとしても、1日に12~17時間ほどが必要になる計算です。社会人が1ヶ月で合格を目指す場合、働きながらこの勉強時間を確保するのは難しいという方が多いのではないでしょうか。
簿記3級を先に取得している場合は、1日に必要な勉強時間が8~12時間程度となる計算です。
簿記3級に余裕をもって合格できており、商業簿記の基礎がしっかり身についていれば、さらに短い勉強時間で済む可能性もあるでしょう。
朝晩に勉強時間を確保する、昼休憩や通勤時間も学習に充てるなど徹底的にスケジュールを管理できれば、1ヶ月での合格も見えてくるかもしれません。
通学講座・通信講座を受講することで勉強時間を短縮できる
簿記2級に短期間で合格したいと考えている場合は、通学講座(スクール)や通信講座の受講で効率的に学習するのが確実です。
通学講座・通信講座を利用することで、簿記未経験者が簿記2級に合格するために必要な勉強時間は250~350時間程度になります。
独学と比べて短い時間で合格できる理由としては以下が挙げられます。
- 合格に必要な知識を効率的に学べるカリキュラムが用意されている
- 講師の指導や添削を受けられ、不明点を解消できる
- 自分の苦手を洗い出してくれる
簿記2級は3級と比べて難易度の高い資格です。
できるだけ早く合格したい場合、確実に合格を目指したい場合、初めて簿記を勉強する場合などは、通学講座や通信講座を利用することをおすすめします。
独学と比べて費用がかかってしまうというデメリットはありますが、そのぶん時間を無駄にしたり、挫折したりするリスクを軽減することができるでしょう。
おすすめの勉強方法【簿記講師監修】
過去問を押さえ工業簿記をマスター
過去問から出題傾向を押さえることが大切です。
出題内容は以下のとおりです。
なかでも出題傾向の安定度からいって、工業簿記は必ずマスターしておくべきです。
仕訳問題
多く出題されるので、過去問題をこなしながら完璧に理解しておきましょう。
個別論点
最近の試験では、有価証券、固定資産(リースを含む)、各種の引当金、外貨建取引、税効果会計、連結会計の個別論点のほか、個別財務諸表(株主資本等変動計算書を含む)や連結財務諸表(連結精算表を含む)を作成させるといった問題など多岐にわたって出題されています。
財務諸表や精算表等決算、本支店会計に関する問題
この問題では連結精算表が出題される可能性があります。
工業簿記
安定して出題されている分野ですので、過去問対策を怠らず、しっかり得点につなげていきましょう。
過去問を使った効果的な勉強方法
最初にテキストを読み込むことも必要ですが、それよりも重要なことは過去問を解くことです。
過去問題集を通して日商簿記2級の出題傾向や形式をつかんでください。
まずは問題を解いて、理解を深める
問題にとりかかるとき、最初は何を聞かれているのかわからないこともあるかもしれませんが、気にせずわかるところだけ答えていきましょう。
ここで大切なのは答えることよりも、出題の形式や傾向をつかむことです。
間違えた問題や理解ができなかった問題は解説を読んで理解を深めていきましょう。解説を読んでもわからない問題はテキストなどから知識を定着させていくことが大切です。
理解するまで繰り返し解く
ここからは、同じ過去問を何度も繰り返し説いていきましょう。
間違えた問題は問題集の解説やテキストでもう一度復習し、必要があればノートにまとめましょう。最初は間違いが多くてくじけそうになるかもしれませんが、そうして繰り返し、過去問1回分を完璧に理解できれば、ほかの年度の過去問も回答できるようになっているはずです。
まとめ
ここまで、簿記2級合格に必要な勉強時間や、試験までの勉強のスケジュール、効率的な勉強法などについてお話してきました。
勉強時間は最低でも200時間
2級合格に必要な勉強時間は、3級を持っている方でも約200時間、未経験から挑戦する場合は350時間以上かかります。
日々の勉強スケジュールと試験までの時間から逆算して、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
勉強の中心は過去問
簿記2級は覚えることが多く、テキストの暗記やまとめばかりしているとそれだけで時間がなくなってしまいます。
テキストをざっと読んだらあとは過去問で実践的に知識をつけていきましょう。何度も繰り返し説いていくことで知識も定着し、苦手な問題を知ることもできます。
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監修者プロフィール
公認会計士
有限責任あずさ監査法人のパートナー(2018年退任)
さくま会計事務所の所長(現任)
監査法人MMPGエーマック代表社員(現任)
フェリス女学院の監事(現任)
神奈川大学の非常勤講師(現任)
さくま式簿記講座の講師(現任)