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ADHD(注意欠如多動症)とは?特徴や原因、治療方法など

ADHD(注意欠如多動症)とは発達障がいの一種であり、生まれつきの脳の特性により注意欠如や多動症などの症状が特性として表れます。近年、認知が広まったことにより、ADHDの診断数は増加しており、特に大人のADHDの診断数は顕著に増加しています。

この記事ではADHDについて、特徴や原因、治療方法などを解説しています。

更新日:2024-11-07(公開日:2024-10-31)

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ADHD(注意欠如多動症)とは?

ADHD(注意欠如多動症)とは、主に「不注意」「多動性」「衝動性」が特性として表れる、発達障がいの一種です。

注意散漫で集中力が続かない、約束をすぐ忘れる、じっとしているのが苦手などの特徴があり、子どもの時は個性や性格の問題だと捉えられ発見されないまま大人になるケースも多く見受けられます。大人のADHDの診断数が症状の認知と共に増加したのは、ADHDに対する認知が高まり、診断を受ける人の数が増えたからでしょう。

ADHDの特性を持つ人は、子どもの頃であれば学校生活や家庭で、大人であれば会社や家庭など、社会生活において様々な場面で困難を抱えることが多く、生きづらさを抱えています。

ADHDの特性や対応方法、どのような支援を受けられるかを知ることで、不安や生きづらさを解消する一助になるかもしれません。

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ADHDの原因

ADHDを含む発達障がいの原因は、生まれつき脳機能の一部に偏りがあるからだと考えられています。ADHDの場合、脳の「前頭葉」、特に「前頭前野」の部分の働きに偏りがあると考えられています。前頭前野は、行動や感情のコントロール・意思決定・長期記憶や集中力などを司る部分です。

遺伝子や環境因子も関係があるとされていますが、親が発達障がいであれば必ず子どもが発達障がいになるということではなく、多数の原因が複雑に絡み合っていると言われています。このように正確な原因についてはまだ研究段階であり、はっきりとは解明されていません。

ただし発達障がいは先天的な脳の機能障害が原因であり、親のしつけや愛情不足、生育環境が原因ではないということは近年の研究では分かってきています。

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ADHDの特徴

ADHDの特徴は前述した通り、主に「不注意」「多動性」「衝動性」の特性のいずれか、もしくは複数が表れます。どの特性が優勢かによって、表出する特徴や性格は大きく変わりますし、子どもから大人までの成長段階によっても違いが見られるため一概にADHDの特徴はこれである、という断定はできません。

ここではADHDの特徴について、よく見られるものを参考に解説します。一例としてご確認ください。

集中できない

ADHDの人は、不注意と多動性の性質から、集中して人の話を聞いたり、一つの作業に取り組んだりすることが苦手です。子どもの頃であれば、机にじっと座っていられない、授業中に教室を歩き回ってしまったりしてしまいます。一般的に多動症の症状は成長と共に落ち着いてくるのですが、大人になっても特性の一部が残り、興味のない話を注意力をもって聞き続けられないことも多いです。

発達障がいの人は聴覚より視覚からの情報が優位になる傾向があるので、言葉だけで理解ができない時は、絵や文字で紙に書いたものを見せるなど工夫することで、少しは集中力を持って見られるようになるでしょう。

約束や期日を守れない

ADHDの症状の一つとして、大人も子どもも共通して「約束が守れない」という特徴があります。これは約束の重要度にかかわらず起こりうることで、理由の一つとしてADHDの特性を持つ人は優先順位付けが苦手であるということが挙げられます。

これは目の前の簡単なことや、興味を引いたことから取り掛かってしまうので、「期日がある提出物」や「他人と約束していた」などの重要性を見落としてしまうのです。子どもの頃は忘れないように親が隣について解決していたことが、大人になると仕事の上で「重要なアポイントをすっぽかす」「期日までの書類が提出できない」「会議に遅刻する」などの症状で表面化することもあります。

大人の場合は、スマートフォンなどのスケジューラーのアプリを使って、頻繁にリマインドをしてもらうことも出来るので、そういった機能を利用して仕組みづくりを心がけることが大切です。重要な予定は誰かにリマインドしてもらえるように声をかけてもらうのも良い方法です。

単純作業やきっちりする作業が苦手

ADHDの特性を持つ人は単純作業やきっちりする作業が苦手な傾向にあります。目新しいことや、変化のある業務にはやる気を持って取り組むのに、日常のルーチン業務や報告書になると誤字や漏れなどの単純ミスがとても多くなります。

同じことは家事でも起こります。家事は掃除・洗濯・料理など毎日同じことの繰り返しであり単調になりがちです。そのため単純ミスが増え、日用品の買い忘れやゴミ出しを忘れたりしてしまいます。

これは自分がつまらない、単調だと思うことに集中力が持続しないことや、注意力が散漫になってしまうことが原因だと考えられます。その結果「いい加減な人」「やる気のない人」と思われがちですが、本人も自覚して悩んでいるケースが多く、怒るのは意欲の低下や二次障がいの原因にもなるため逆効果です。チェックシートを活用したりして、対策を立てることが大切です。

用事を先送りにする

また、やらなければいけないことを先送りにしてしまうのも特徴の一つです。ADHDの人は注意力が散漫なため、大事な用事があっても目先の仕事に注意を奪われ、結果的に大事な用事を先送りにしてしまいます。

またそれ以外にも「やりたいことを優先してしまう」といった特性もあります。子どもの場合は特に顕著で、何度言っても宿題をしないで遊びに行ってしまうなど、やるべきことよりやりたいことを優先してしまいます。これは自分の欲求や行動を抑制する機能が働かないからで、大人になっても自分の気持ちを優先してしまう人もいます。

他の興味を引く何かに目が触れないように、集中できる環境を整備してあげることが重要です。

待つのが苦手

行列に並ぶ、順番待ちをするということが苦手というのはよくある特性です。衝動性が強い場合に顕著に出る特徴で、たとえば遊具を前にすると「早く遊びたい!」という衝動が勝ってしまい、先に乗っている友達を押しのけたりしてしまいます。また注意されてもすぐに忘れてしまうので、何度も繰り返してしまいます。

子どもの場合はわがままだと誤解されがちですが、根気強く何度も伝えることが大切です。またできたらしっかり褒めてあげることも大事です。

計画や準備ができない

これまでの特徴から推測できる通り、ADHDの人は基本的に計画や準備をするのが苦手です。先の見通しが立てられない、やらなければならないことを覚えておくのが苦手、忘れ物が多い、面倒くさい仕事を先送りにしてしまう、といった複合的な要因から、長期的な仕事を任されるとハンドリングしきれないのです。

また金銭管理においても同様で、欲しいという欲求に耐えきれずに衝動買いをしがちです。

せっかちで短気

多動症・衝動性といった特性が強く出ると、短気といった特徴で表れることがあります。衝動的に行動し、落ち着いて何かをすることができないので、常に急いでいる様子が出ます。相手のペースに合わせることができないので、メールの返信や作業のスピードなどが自分基準になり、期待通りのスピードで返ってこないとすぐにイライラしてしまうのです。

衝動的に仕事をするため、うっかりミスが多かったり、返事が誤解を招く乱暴な言い回しになってしまったりと「あまり関わりたくない人」と周りから思われてしまう可能性もあります。ただし、こういった特性を持つ人はフットワークが軽く、仕事のスピード感も早いのでプレイヤーとしては優秀なケースもあります。

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子どものADHDと大人のADHDの違い

ADHDの特性である「不注意」「多動性」「衝動性」は、成長とともに緩和されていくことが多いようです。子どもの頃には授業中に立ち歩いたり、順番を待てずに割り込んだりしていたとしても、大人になると机に座って仕事ができる、順番に割り込んだりはしないといった我慢が身についてきます。

ただ緩和されるから良いという訳ではなく、子どもの頃から性格として見落とされがちなADHDの特性は大人になっても見落とされたまま、生きづらさを抱える要因になります。発達障がいは病気ではなく脳機能の障がいであるため、治療すれば完治する訳ではありません。成長や努力で改善できる範囲には限りがあります。度重なるミスや叱責は自己肯定感の低下にも繋がりがちです。

ADHDの特性は子どもの方が強く表れる傾向にあり、性格と見なさず、早期に発見して療育に繋げていくことが大切だと言えます。

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ADHDの治療方法

ADHDの対応・治療方法は「療育」と「薬物療法」の主に二つです。

分かりやすいように治療方法と記載しましたが、ADHDは前述した通り病気ではないため、治療ではなく「支援」や「対処方法」と言い換えた方が適切かもしれません。

療育

療育とは発達支援のことであり、発達障がいがある、または可能性がある子どもに対して、個々の特性に応じて、将来の自立を目指した支援を行うことを言います。

発達障がいは表れる特性に応じて症状が様々異なります。療育では子どもの現在の状況や困りごとを詳細に聞き、その子に応じた支援を進めていきます。また子どもの家庭への支援も合わせて行います。

療育は主に子どもの支援に対して使われる言葉ですが、大人に対して行われる場合もあります。

薬物療法

またADHDには薬物療法も一定効果があると言われています。

ADHDの治療薬は現在4種類の薬が認可されており「前頭葉の働きを活性化する」「集中力の増進」「多動や不注意の緩和」といった効果が挙げられます。薬の種類によっては厳格に処方制限があり、医師の指導に従って服用する必要があります。

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ADHDの特性を持つ人への接し方

ADHDは病気ではないということを知ることは、周囲にADHDの特性を持つ人がいる場合とても大切です。ADHDは脳機能の障がいであり、本人にもどうしようもない事情であることを理解しましょう。

では実際に周囲にADHDの方がいる場合、どのように接すれば良いでしょうか?具体的な対応をいくつか例を上げて解説します。

悪いところよりいいところを見る

ADHDの特性は裏を返せば、強みになることもあります。たとえば多動性や衝動性傾向の強い人はとても活動的であり、フットワークの軽い人が多いです。また好奇心旺盛で、次々と新しい発想ができるアイデアマンだったりすることもあります。

このように、悪いところだけでなくいいところに目を向けるようにすることが大切です。

段取りを整える

ADHDの人は段取りを整えることが苦手です。これは本人の特性上どうしようもないことが多いので、周囲が段取りを整えるようにするのが一番良いでしょう。

タスクが複数にわたる場合はチェックリストやTODOリストを作成する、提出物は提出場所を作り具体的に指示する、集中しなければいけない仕事の場合は静かな環境を整えるなど、働きやすい環境を整備できるよう配慮すると良いでしょう。

予定表を作る

注意が散漫になりがちで何をしていいかすぐに忘れてしまう、そんな場合には予定表をあらかじめ作って見えるところに貼っておくといった方法も有効です。

前述のTODOリストに近しい考え方ですが、毎日のスケジュールを決めて見えるようにすることで、次に何をすべきかがADHDの方にとっても分かりやすくなります。また予定を作るだけでなく、毎日一緒にチェックするなどの習慣をつけることで、物忘れや抜け漏れも事前に確認することができます。

楽しみを用意する

多動性や衝動性の強い方にとっては、退屈は耐えられないものです。退屈を紛らわせるために子どもであればゲームばかりをしてしまったり、大人であればパチンコなどにのめり込んで、金銭トラブルになることも少なくありません。

そうならないように定期的にご褒美ともいえる楽しみを用意するのも良い方法です。「これが終わったら次の日曜日に〇〇へ行こう」などの具体的な楽しみを用意しておくと、それをモチベーションにして退屈なことでも頑張れます。

一緒に対策を考える

またADHDと一口に言っても特性は個々によって違います。家庭や学校・仕事場で問題になっていることを書き出してみて、それぞれの対策を一緒に考えることも大切でしょう。

対策が決まったら紙などに書き出して、見えるところに貼っておくことで忘れずに思い出すことができます。

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ADHDの相談窓口

最後にADHDの相談窓口について、幾つかご紹介します。

発達障害者支援センター

発達障害者支援センターは、発達障がい児(者)への支援を総合的に行うことを目的とした専門機関であり、相談業務も行っています。全国に展開していますので、一度お住まいの地域の発達障害時支援センターを調べて、問い合わせてみるのが良いでしょう。

児童発達支援センター

児童発達支援センターは、地域で障がいが認められる児童を通所させて、日常生活における指導や自活に必要な知識や技能の付与、集団生活への適応のための訓練を行う施設です。

児童相談所、市町村保健センター、医師などにより療育の必要性が認められた場合に利用することができます。

市区町村の相談窓口

自治体には、発達障がいに関する相談窓口が設けられています。診断がついていなくても、相談できるので、ADHDの疑いがある場合やどういった支援が受けられるかを知りたい場合は一度相談してみると良いでしょう。

地域のクリニック

また地域のクリニックにもADHDのことを相談することはできます。子どもであれば児童精神科、精神科、心療内科を、大人であれば精神科や心療内科を受診します。

もしかしたらADHDかもしれない、と不安になった場合は一度受診してみるのが良いでしょう。

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複数の学校や講座の資料請求を行い、比較してからの講座受講をおすすめします。
学校によって受講料や学習サポート、カリキュラム、割引制度などが違いますので、資料を取り寄せてご自身にあった学校を選んでみてはいかがでしょうか。

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