やらなきゃいけないことに集中できない…!
学校から帰ってきたら、宿題の時間があるのが毎日の風景ですよね。勉強をしなくてはいけないけど、ほかにも誘惑があって気がそぞろになってしまうことは、子どもにも大人にもある悩みではないでしょうか?
学童保育の現場でも、宿題の時間で悩むことがありました。
私の勤めていた学童では、まず最初におやつの時間があり、その後は宿題をしたり、みんなで遊んだりなど自由に過ごすことが多かったです。レクリエーションなどのイベントもあり、みんなが楽しく過ごしている学童保育の場には誘惑がいっぱいです。
そんな中、集中できずに動き回ってしまったり、ついつい遊んでしまったり、宿題が進まない子どもたちがたくさんいました。中には帰り際にどうしようと泣いてしまう子もいたのを覚えています。
宿題に限らず、日々の生活の中でも今やらなくではいけないことに集中できないと、その子自身だけでなく周りも困ってしまいますよね。
切り替えできる5つの方法
集中できない、周りと一緒にできない背景には、発達障がいの特性や個々の性格、家庭環境など、さまざまな要因が関わっています。もちろん、「宿題が嫌なこと」だから気が進まないという理由も大いにあると思います。
1 専用のスペースを作り、環境を整えてみる。
特にADHD※の特性がある子などは他の刺激に気を取られやすくなってしまいます。ゲームやおもちゃ、ほかの子の遊ぶ声など、刺激になるものを物理的に離しましょう。
私の勤めていた学童では、静かに宿題をする部屋や、先生が分からないことを教えてくれる学習の時間を設けていました。
「身の回りや机の上は鉛筆、ノート、教科書だけ出しておく」といった余計なものを目に見えるところにおかない方法も初歩的ですがおすすめです。
「勉強に使うものだけ出してみよう」といった行動で気持ちも切り替わりますよね。
刺激になるものを遮るという点では、衝立や簡易的なパーティションを設けるのも良いですね。
また、個人的なスペースが必要になってしまう例ですが、多動があり、動くほうが集中できるという子は敢えて立ちながら、話し合いながら勉強するのも良いかもしれません。
※ADHD・・・忘れっぽく集中できない(不注意)、じっとしていられない(多動性)、考える前に行動してしまう(衝動性)などを特徴とする発達障がい
2 時間を区切る・タイマーを使う
長時間の集中が難しい場合は、10~15分ごとに短い休憩を入れ「10分できたら5分間自由にしていいよ」と約束することで、時間を明確にし、取り組みやすくしました。
少しの休憩があることで、嫌な時間が区切られますし、タイマーを使うことで気持ちの切り替えも視覚的にできます。
3 リストを作って見える化する
宿題をする中でプレッシャーがかかってしまい不安で進まなくなってしまう、時間の管理が苦手という子もいました。
宿題の内容を小さなステップに分け、書き出したり、チェックリストにして、「次何をしたらいいか」「何分やろうか」などを子どもたちと一緒に、連絡帳を確認して計画しました。
一つ終えるごとに好きな色のペンやシールで目印をつけ「できたね!」と声をかけることで達成感を得られやすくなると思います。
4 自分で決める練習・選択肢を与える
宿題を始める順番や取り組む場所を本人に選ばせることで、主体性を尊重するようにしました。
「国語からやる?それとも算数?」というように聞き、自分で決めて計画することで、次のステップへ踏み出しやすくすることを心がけました。
また別の例になりますが、こだわりが強く、熱中していることが辞められず次のステップに進めない、集団行動ができないという子どもにも私はよくこの手法で話しかけていました。
「このまま遊ぶ?みんなと遊ぶ?どっちにする?」と2つの選択肢に分け、決めてもらうターンを挟むと意外と話を聞いてくれ、すんなりと行動してくれました。
この時にホワイトボードに書いたり、指で示したり視覚化するとより効果的でした。
5 ごほうび制度の導入
これは一番のモチベーションになりますよね。
宿題が終わったら「好きな本を読む時間」や「シールを貼る」など、簡単なご褒美を子どもと決めて取り組みました。
私は絵を描くことが得意なので、「好きなキャラクターの塗り絵を一枚描いてあげる」というご褒美を用意して、宿題が終わったら一緒に塗り絵で遊ぼうと誘っていました。
まとめ
私の体験談についていかがだったでしょうか?子どもに向けてするだけでなく、大人の私も自分自身の生活に取り入れています。
「自分だったらどんな方法にすれば、取り組みやすくなるかな?」と相手の立場に立って、よく考えていました。
もちろん、これで完璧にできるわけではありませんし、子ども達も上手くできないこともあります。
ですが、適切な支援と環境調整によって少しずつ取り組む力を育むことができます。大切なのは、本人のペースや特性を尊重しながら、小さな成功体験を積み重ねていくことです。一人ひとりの成長に寄り添い、子どもたちが「できる!」と感じられるサポートをしていきたいですね。