どうしたらいい?子どもに寄り添うためのポイント5選
1「学校に行きたくない」気持ちを否定しない
まず、子どもの「学校に行きたくない」という言葉を単純に否定せず、共感し、受け入れることが大切です。例えば「学校が嫌で行けないのは分かるよ」と伝えることで、子どもは自分の気持ちが理解されていると感じやすくなるでしょう。
子ども自身も、学校へ行かなければいけないことは頭の中では分かっているけれど、どうしたらいいか分からない気持ちを抱えて苦しんでいます。
さらに、その気持ちを伝えて両親からどう思われるだろうか、と思い悩む気持ちもあるでしょう。中には自分の気持ちを言えないまま、ストレスから体調を崩してしまう子もいます。
行きたくないという気持ちを伝えるにはきっと大きな勇気が必要なはずです。
そこで、まずは自分の気持ちをいえたことを褒めてあげてください。
2 無理やり行かせない・行くと言うまで待ってみる
「1度休んだらその後行きにくくなるから」「学校に行きたくないのはワガママだ」と無理やり学校に行かせようとすることは辞めましょう。子どもとの信頼関係にヒビが入ってしまい、子どもが本当の気持ちを言えなくなってしまうかもしれません。
朝の準備をゆっくり進めたり、少し休んだりすることで、子どもの嫌な気持ちが落ち着き、自然と学校へ行く気持ちが出ることもあります。
また、保健室や別室登校をしてみて、慣らしていくことも一つの手です。
絶対にいつも通りに学校に通わなければいけない訳ではありません。
大人も子どもも、少し息抜きをするんだと思って、子どもの気持ちが整うまで待ってみてください。
3 学校に行きたくない理由を見つけるには
子どもになんで行きたくないの?と根掘り葉掘り聞きたくなるかもしれませんが、無理やり聞き出そうとせずに、雑談など楽しい話を交えながら理由が出てくるのを待ってみる、学校と連携をとるなど、様々な角度からアプローチしてみて下さい。
教室が騒がしくて集中できない、授業のペースについていけず困っているといった学習での悩みや、いじめを受けているといった人間関係の悩みなどを抱えているかもしれません。
また、発達障がいの子どもは、自分の気持ちを言葉で表現することが難しい場合があるので、子どもの行動や表情、日常の様子から手がかりを見つけ、学校での出来事や感じているストレスを理解しようと努めることが大切になります。
4 「大丈夫」を増やそう!成功体験を積む練習をする
「学校に行きたくない」と渋る心の中では、嫌なことが起こった時に自分は大丈夫だろうか?という不安が大きくなってしまっているかもしれません。
その不安を吹き飛ばすには子ども自身が「大丈夫」と思える気持ちを持つことが大切です。
ではその「大丈夫」を増やすにはどうしたらいいかといいますと「小さな成功体験を積み重ねる」ことが一番の近道になります。
例えば、学校に行く準備ができた、教室に入れた、授業に参加できた、など、どんな小さなことでも積極的に褒めて「君なら大丈夫だよ」を積み重ねてみてください。
まずは朝準備をする、次は保健室に登校してみるなど、段階的な目標を設定し、子どもが少しずつ環境に慣れる機会を作ることで、学校に行く練習になり「大丈夫」の気持ちが育まれるでしょう。
5 学校の教室や家庭以外にも居場所を作る
以前のコラムで、学校の中の避難所として保健室やスクールカウンセラーについてお話したことがあります。
学校の中には、学校には行けるけど教室には入れない子どものための教室を設けている所もあり、このような居場所は子どもの息抜きや気持ちの切り替えに繋がります。
他にも、習い事や学童保育など、学校と家庭以外に楽しめる場所があれば、嫌な気持ちから切り替えられますし、自分の居場所があるという自己肯定感にも繋がります。
また、専門機関に相談して、学校生活への復帰を支援する適応指導教室や子どもの学習を支援するフリースクールに通うことを検討してみることも、子どもの居場所を広げるための一つの手になるでしょう。
家庭だけで対処しようとするのではなく、学校や専門家に相談をしてみて、幅広い面から子どもへのサポートを検討してみてください。
まとめ
子どもが登校渋りしてしまうことは、すぐに解決することが難しいことも沢山あり、どう接したらよいか悩む問題だと思います。
大切なのは、私たち大人が「子どもの成長を支えるパートナー」であるという意識を持ち続けること、子ども自身が少しずつ「大丈夫」という安心感や成功体験を積んでいくことです。
きっとそれが、子どもを不安から救ってくれるお守りになるでしょう。
どうしたらいいだろうと思い悩んだ時に、今回のコラムでの話を、考えを広げる切り口に使っていただけると嬉しいです。