子どもたちの逃げ場所としての保健室
学校生活の中で、保健室は単なる体調不良時の救護室ではありません。
時には生徒たちが心を落ち着かせられる逃げ場所にもなります。私も小学生の頃、度々保健室にお世話になったものです。
私は周りの子より体の成長が早く、友達と悩みを共有できないことがありました。体調不良になった時、先生にポロッと悩みを言ったことが始まりでした。
その時に先生は「熱が無くても、いつでも休み時間にでもおいでよ」と私に言ってくれました。
それからは、何だか気分が落ち込む、辛くなってしまったという時も「保健室に行けば先生がいてほっとするかも」という気持ちになり、安心感を持てるようになりました。
私の小学校の保健室は、休み時間にちょっと寄って先生と雑談できる、アットホームな雰囲気があったのも良かったのかもしれません。
学校の中で、心を休められる逃げ場所があることは、当時の私にとって、とても大切なことだったと今でも先生に感謝しています。
スクールカウンセラーが作る心の避難所
スクールカウンセラーもまた、子どもたちにとって大切な逃げ場所を提供する存在です。
スクールカウンセラーは学校現場で児童・生徒や保護者、教職員の相談や悩み事に支援を行う心の専門家になります。
過去に中学校のスクールカウンセラーの先生の元へ、ボランティアとしてお手伝いに参加させてもらったことがあります。
私自身、学生生活の中でスクールカウンセラーという存在に出会ったことは無く「スクールカウンセラーは実際にどんなことをしているんだろう?」と不思議に思っており、実際の現場を知る良い経験となりました。
その中学校にはスクールカウンセラーが常駐しており、専用の教室もありました。
ボランティアの内容は週に1回、その教室に通い、家族以外とお話する練習相手として、生徒たちと1日交流するものでした。
実際にお会いした先生はとても温かい人というのが第一印象で、ボランティアとして参加した学生の私の話を目を見てしっかり聞いて下さり、緊張がほぐれたのを覚えています。
生徒とお話しするときも、先生の声色はとても優しく、生徒一人ひとりのお話をしっかり聞いて、一緒に悩みについて考えようと言っていました。
教室の中には、自分の教室に行けないけれど頑張って学校に来た子、得意な科目は自分の教室にいく子など、様々な事情の生徒がいて、生徒たちは先生と面談してカウンセリングをしている時もあれば、各々勉強をしたり、グループワークをしたりなど自由に過ごしていました。
先生のいる教室の空間は「無理に話さなくてもいい」「ここでは何を言っても否定されない」といった安心感があり、そのおかげか生徒たちも、リラックスした表情で過ごしていたように思えました。
ボランティアに行く私自身も教室に行く時間をとても楽しく感じていたぐらいに、先生の作る安心感のある空間が心地よかったです。
スクールカウンセラーが提供するのは、ただ話を聞くだけの場所ではなく、子どもたちが自分自身を見つめ直し、次の一歩を踏み出すための心の避難所なんだと感じました。そのために、子どもに寄り添い、安心の空間を作ることも大切なんだと知る、良い経験でした。
まとめ
学校生活には、子どもたちが逃げたくなるような困難やストレスがつきものです。
しかし、保健室やスクールカウンセラーの存在が、子どもたちにとっての大切な逃げ場所となることもあります。
学校現場だけでなく、私たち大人ができる範囲で子どもに安心を与えられる場所を作っていきたいものですね。