未経験からでもWebデザイナーになれる4つの理由
本項では「未経験からでもWebデザイナーになれる4つの理由」について解説をします。
1. 実務未経験でも制作経験があればよい
2. Webデザイナーになるための必須資格はない
3. Webデザイナーは他の職業ほど年齢は重視されない
4. Webデザイナーになるために特別な才能は必要ない
実務未経験でも制作経験があればよい
Webデザイナーとしての制作経験があれば、実務経験がなくても採用されるチャンスはあります。Webデザインにおいて「未経験」とは制作経験がないことだからです。
ただし、作品制作の経験もない場合は採用される確率はかなり低いでしょう。
未経験からWebデザイナーとして働くためには、作品を制作できるだけのスキルをまず身につけておきましょう。
制作経験は、就職活動や、案件へ応募する際のアピールになります。
Webデザイナーになるための必須資格はない
Webデザイナーの採用選考をする際に、募集企業は応募者の持っている資格よりも、スキルを重視します。
仕事に必要なスキルがあれば、Webデザインの資格を持っていなくても問題視されないことが多いです。
Webデザインのスキルに加えて資格も持っていればさらにアピールになりますが、必須ではありません。
従って、資格のための勉強よりも、Webデザインスキルの向上に努めた方が効果的であるといえるでしょう。
Webデザイナーは他の職業ほど年齢が重視されない
Webデザイナーは年齢よりも実力が重視される職業です。
また、一口にWebデザインと言っても、クライアントのニーズや制作物の種類はさまざまです。Webデザイナーとしてどんなスキルを持っていて、クライアントに対してどんな貢献ができるかが年齢よりも重視されます。
ただし、年齢によって雇用形態が変わるのも事実です。例えば、30代後半以上の方の場合は、企業への就職は難しいため、フリーランスとして働くことが一般的になっています。
Webデザイナーになるために特別な才能は必要ない
特別な才能がなくてもWebデザイナーになることは可能です。
何故なら、Webデザインには見栄えをよくしたり、サイト訪問者の注意を引いたりするための基本的なルールがあるからです。
基本的なルールに従えば、一定のクオリティを持つ制作物を作ることはできます。まずは制作の基本を身につけて、自分のデザインスキルを伸ばしていくとよいでしょう。
基本が身につけば、自ずと応用が利くようになっていきます。
Webデザイナーの仕事内容とは?
Webデザイナーには主に4つの仕事があります。
・ Webデザインの企画を立てる
・ Webサイトの設計図を作る
・ Webデザインを行う
・ Webサイトのコーディングをする
上記の作業を行うためには、デザインとコーディングの知識だけではなく、デザインソフトである「Illustrator」や「Photoshop」のスキルを身につけることが必要です。
Webデザインの企画を立てる
Webデザイナーとして最初にすべきことは、クライアントのサイト制作における目的やニーズを聞き、サイト作成のためのプランを立てることです。この工程を「ヒアリング」と呼びます。
ヒアリングを行う際には次のことを意識しましょう。
・クライアントが作ってほしいWebサイトはどのようなものか
・クライアントがWebサイトを作ることで解決したい問題は何か
・Webデザイナーとしてクライアントに提案すべきことはあるか
ヒアリングを通して、クライアント自身がまだ気がついていないニーズを引き出せることもあります。
Webサイトのワイヤーフレーム(骨組み)を作る
Webデザインの企画を立てたら、次はサイトの「ワイヤーフレーム(骨組み)」を作りましょう。ワイヤーフレームとは、メニューや企業ロゴ、テキスト、使用する画像をサイト内のどこに配置するかを記載したWebサイトの設計図のことです。
クライアント側からの要望だけでなく、ユーザーにとって使いやすいサイトにするために何が必要かを意識しながらサイトの骨組みを作ることが重要です。
Webデザインを行う
Webデザインは、ヒアリングの段階でクライアントからあった要望を視覚化していく工程であるため、Webデザイナーとしての自分の実力を示す絶好の機会だといえます。
ワイヤーフレームに従って、企業ロゴやアイコンなどを配置し、サイト内の配色やテキストのフォントなどを設定していきましょう。
また、Webデザインをする際には、パソコンとスマートフォン画面での見やすさや、色弱者や難聴者に対する配慮といった、さまざまな要素について確認することが必要になります。
関連記事 Webデザイナーの仕事内容とは?就職事情や将来性、働くために必要なスキルを解説!
Webサイトのコーディングをする
コーディングとは、Webのデザインをサイト内に反映させるための作業のことです。サイトのデザインを実際に機能させるための工程ともいえます。
コーディングに該当する作業の例としては、クリックしてサイト内の別ページに飛べるようにしたり、画像や文字を反映したりすることがあります。
コーディングについて別記事で詳しく解説をしているのでご参照ください。
関連記事 コーディングとは?【初心者向け】Webデザイナーが身につけるメリットやhtml、cssについて解説!
また、コーディングではHTMLやCSSといったマークアップ言語を使うことから、Webデザイナーとプログラマーの違いについてのご質問を頂くことがあります。別記事にて解説をしていますので、ご参照ください。
関連記事 Webデザイナーとプログラマーの違いは?Webデザイナーがプログラミングを学ぶメリットも紹介!
未経験からWebデザイナーになるまでの流れ
未経験からWebデザイナーになるまでの流れを次の順に解説します。
・ Webデザインに使うパソコンとツールを用意する
・ Webデザインに必要なスキルを身につける
・ 実績をアピールするためのポートフォリオを作る
・ 就職活動・案件への応募を開始する
Webデザインに使うパソコンとツールを用意する
Webデザイナーになるために必要なツールは次の2つです。
1. 下記のスペックを持つパソコン(Windows・Mac共通)
・ メモリ :16GB以上
・ CPU :Intel Core i5以上、Ryzen 7以上
・ ストレージ:SSDの512GB以上
・ 画面サイズ:ノートパソコンは15インチ以上
デスクトップパソコンは21インチ以上
2. デザインソフト
Photoshopがあれば殆どの業務を行うことができます。
Webデザインに必要なスキルを身につける
Webデザイナーとして働くためには、次の分野についての知識とスキルが必要です。
・ Webデザイン
・ デザインツール(Illustrator、Photoshopなど)
・ コーディング(HTML、CSS)
上記の知識とスキルは、独学、またはWebデザインスクールで学ぶことができます。
それぞれの学習方法について別記事で詳しく解説をしていますので、ご参照ください。
関連記事 Webデザインを独学で学ぶのは難しい?効率的な勉強方法やおすすめの本を紹介
関連記事 【2023年最新!編集部おすすめのWebデザインスクール】スクールや職業訓練校のメリットとは?
実績をアピールするためのポートフォリオを作る
ポートフォリオとは、自分の作成した作品集のことで、企業やクライアントに自分の実力を知ってもらうために使います。
ポートフォリオの質が選考に与える影響は大きいため、未経験からWebデザイナーを目指すならポートフォリオの作成は必須です。
また、ポートフォリオは冊子、Webのどちらで作成しても問題ありません。分かりやすく実力を示すために、ランディングページかWebページを制作するとよいでしょう。
企業や案件に応募するためのポートフォリオには次の内容を含めるようにします。
・ 作者のプロフィール
・ 応募企業や案件の業種に合わせた作品(例:美容、教育など)
・ コンセプト、制作に使用したスキル、工夫した点などを含む作品の解説
また、他の候補者に差をつけるためにも、サイトの構成や、文章の分かりやすさを意識することも大切です。
ポートフォリオ用の作品をたくさん作る必要はありません。自分の実力が採用側に理解してもらえる作品があれば十分です。
就職活動・案件への応募を開始する
Webデザイナーとして企業への就職を目指す場合と、フリーランスとして案件を獲得する場合のポイントをそれぞれ解説します。
企業への就職活動をする場合
Webデザイナーの就職先には「事業会社」と「制作会社」があります。それぞれの特徴をまず知っておきましょう。
事業会社で働く場合は、自社の商品やサービスについてのWeb制作を担当することになります。
一方で、制作会社で働く場合は、複数の事業会社から依頼されたWeb制作を行うことになります。
事業会社と制作会社のメリットとデメリットを下記表にまとめました。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
事業会社 | ・自社のエンドユーザーをターゲットにしたWeb制作に専念できる ・サイトのPV数や集客効果のデータ分析といった、Webデザイン以外の幅広い仕事ができるようになる ・比較的納期が厳しくないため、仕事を自分のペースで進められる |
・社内のWebデザイナーが少人数、または自分だけなので、自発的にスキルアップをする必要がある ・すでに制作済みのサイトの運用と改善が主な仕事のため、企画段階からのサイト立ち上げ業務を経験する機会が少ない ・Webデザイン以外の業務に時間を取られることがある |
制作会社 | ・さまざまな業種のクライアントを受け持つことになるため、多様なスキルが身につく ・社内に他のWebデザイナーが多くいるので、Webデザインについて学べる環境がある ・企画制作から実際のデザインまで幅広い業務に携われる |
・デザイナーやディレクターなど、デザインを専門としたポジション以外のキャリアパスが少ない ・業務が忙しく、残業が多い ・クライアントからの要望に応えなければならないプレッシャーがある |
また、就職活動をする際には、転職エージェントに登録しておくとよいでしょう。転職エージェントに登録をすることで、履歴書の書き方や、面接の対策を教えてもらうことができます。
フリーランスとして案件を獲得する場合
未経験のWebデザイナーがフリーランスとして案件を獲得するための方法について見ていきましょう。
・ 友人や知人からWebデザインを依頼してもらう
Webデザイナーとしての実績を作るために、友人や知人からWebデザインを依頼してもらいます。まずは、案件への応募時に見せられる実績を作ることが優先なので、無料でも依頼を受ける価値はあります。
制作物が好評であれば、次回からは有料にできたり、依頼をくれた友人や知人から新規案件を紹介してもらえる可能性もあるでしょう。
・ クラウドソーシングの案件に応募する
クラウドソーシングとは、クライアントと、Webデザイナーをマッチングするための案件紹介サイトのことです。
クラウドソーシング内には、単価はそれほど高くはありませんが、実務未経験でも応募できる案件があります。最初は単価の低い案件で経験と実績を積んで、Webデザイナーとしてステップアップしていきましょう。
ただし、クラウドソーシングでは、案件の報酬額からサービス利用手数料が差し引かれます。
・ SNSを使って案件を獲得する
TwitterやInstagramなどのSNSは案件獲得に役立つツールです。
SNS上でWebデザイナーの募集が見つかったり、自分が発信した内容に興味を持ったクライントがスカウトをかけてきたりすることもあります。自分のポートフォリオをSNSのプロフィールに載せておくと大きなアピールになるでしょう。
SNSを使った直営業でクライアントと契約を結ぶと、クラウドソーシングのようにサービス利用手数料を引かれることなく報酬を受け取ることができます。
交流会などに参加してコネクションを作る
異業種やWebクリエイターの交流会などに参加して、コネクションを作ることも案件を獲得する上で有効な方法です。Webデザイナーを探しているクライアントと出会えたり、Webクリエイターの横のつながりで案件を紹介してもらえるチャンスがあるでしょう。
また、交流会では顔の見えるコミュニケーションが取れるため、信頼関係を築きやすく、継続案件の獲得につなげやすいこともメリットです。
会社員とフリーランスの働き方の違いについては、別記事で詳しく解説しているので、ご参照ください。
関連記事 Webデザイナーとして独立するには?フリーランスと会社員の働き方の違いを解説します!
各年代別に未経験からWebデザイナーになるために必要なことを解説
Webデザインは年齢に関わらず挑戦できる仕事ですが、実際には年齢によって必要なことや、望める雇用形態が変わります。
20〜40代の年代別に、未経験からWebデザイナーになるために必要なことを解説します。
20代未経験からWebデザイナーになるために必要なこと
20代前半と後半で条件が異なります。
20代前半(20〜25歳)
20代前半であれば、制作未経験でもWebデザイナーになれる可能性はありますが、スクールやインターンシップなどでWebデザインについて学んでおいた方がよいです。
また、企業によってはWebデザイナーとしてのスキルよりも、仕事への熱意や、礼儀、コミュニケーション能力を重視する場合があります。入社後の成長が期待できる人材であることをアピールできるようにしましょう。
関連記事 新卒でWebデザイナーになるには?目指せる大学と在学中にやるべきことを紹介!
20代後半(26〜29歳)
20代後半になると実務経験がない状態からの正社員就職への難易度は高くなります。Webデザインや、デザインツール、コーディングの基礎知識やスキルは身につけておくべきです。
20代後半でWebデザイン業界未経験でも、制作スキルがあれば就職できる可能性はあります。
また、前職の実務経験でWebデザインに関連付けられるものがあるかも確認しておきましょう。
30代未経験からWebデザイナーになるために必要なこと
30代未経験からでもWebデザイナーになることは可能です。しかし、自分より若い世代や、実務経験のある人との競争になるため、前項で紹介した3つのスキル習得は必須になります。
30代未経験から挑戦する場合は、Webデザインスクールや通信講座で学ぶことをぜひ検討してみてください。多くのWebデザインスクールでは生徒への就職サポートサービスを行っています。
関連記事 【2023年最新!編集部おすすめのWebデザインスクール】スクールや職業訓練校のメリットとは?
また、30代前半と後半では下記の違いがあります。
30代前半(30〜35歳)
- Web制作会社へ就職できる可能性はある
- 「業務量が多い」「上司・同僚が年下」などのデメリットを克服する必要がある
30代後半(36〜39歳)
- Web制作会社への就職はやや厳しいため、フリーランスで業務を受注することを目指す方が現実的
- 就職できても職場内で年長者であることによるプレッシャーが強い
尚、30代未経験の方の場合は、最初は単価の低いクラウドソーシングの案件や、非正規雇用の仕事で実務経験を積まなくてはならない可能性があります。初めは収入が低くても、スキルアップをしながら高単価案件獲得や、正規雇用を目指す覚悟が必要になるでしょう。
関連記事 未経験30代でもWebデザイナーになれる?目指す方法や必要なスキルを解説
40代未経験からWebデザイナーになるために必要なこと
40代未経験の方が企業へ就職することは非常に厳しいです。
Webデザインのスキルだけでなく、サイト訪問者に刺さる内容のWebサイト、ランディングページを作る能力がないと、採用されるチャンスはないといっていいでしょう。
また、たとえ前職でプログラミングの経験があったとしても、Webデザインのスキルが伴わなければ十分なアピールにはなりません。
現実的には、40代未経験の方の場合は、最初は採算が合わなくてもフリーランスとして実務経験を積み、スキルアップをしていくことから始めるかたちになります。
さまざまな案件を手がけることで実力を伸ばし、ポートフォリオを充実させていきましょう。さらに、SNSなどを活用して積極的に営業をかけることが重要です。
実績を積みながらレベルアップしていくことで、高単価の継続案件を複数獲得できるようになり、営業よりも実際のWebデザインに集中できるようになれるでしょう。
未経験からWebデザイナーを副業にする方法
未経験から副業Webデザイナーを目指す場合は、前述のWebデザインの知識、デザインソフトとコーディングスキルをまず身につけておきましょう。
これらの知識やスキルを完全にマスターしなくてもできる仕事はありますが、身につけた方が案件を獲得できる可能性は確実に上がります。より良い単価の案件への応募も可能になるでしょう。
最初は、自分や友人・知人のためのWeb制作をしたり、クラウドソーシングの案件やアルバイトサイトの求人に応募をしながら、経験と実績を積んでいきましょう。
参考までに、未経験でもできる副業Webデザイナーの仕事として下記があります。
・バナー制作
・ホームページ更新
・コーディング
・CMSのカスタマイズ
・ランディングページの制作
・Webライティング
参照サイト 副業でWebデザイナーができる?未経験から在宅で働く方法を紹介
Webデザイナーを目指せるおすすめスクール
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まとめ
実務未経験からでもWebデザイナーになることは可能です。
業務に必要なWebデザイン、デザインツール、コーディングの知識とスキルを身につけ、実績をアピールできるポートフォリを作れば、就職や案件獲得のチャンスはあります。
年齢によって望める雇用形態は変わりますが、Webデザイナーは何歳からでも挑戦できる職業です。また、未経験から副業Webデザイナーになることも可能です。
自分の現在の実力と目標に合わせたキャリアパスを考え、必要に合わせてWebデザインスクールや通信講座で学ぶようにしましょう。