情報セキュリティマネジメント所持者の職業先・転職先とは?
(1):システムエンジニア
現役のシステムエンジニアは、ウィルス対策ソフトを導入することやパスワードを複雑なものにしたうえで期間を定めて変更するなどの一般的な情報セキュリティ対策に加えて、「ファイヤーウォールを設置する」「ウィルス定義ファイルを一定期間ごとに更新する」などの対策知識については知っています。
これからのエンジニアは、「セキュリティの脅威に対抗できるシステムを構築・運用」「悪意ある攻撃に耐えられるネットワークの構築・運用」などの情報セキュリティ対策に関する知識も必要になるといえるでしょう。
サイバー攻撃手法や不正アクセス対策そしてマルウェア対策などの知識を身に付けるには、それらのことが試験範囲となっている情報セキュリティマネジメント資格を学習するのが良いでしょう。
システムエンジニアが、情報セキュリティマネジメント資格を保有すれば、就職・転職の際に面接の際に好印象を与えることができます。
(2):プログラマー
情報セキュリティマネジメント試験の資格取得を目指して学習していくことで、脆弱性や脅威などの情報セキュリティに関する知識を身に付けることができれば、「このモジュールはセキュリティ的に問題がある」などを理解することができ、その結果、仕様以外のシステムの改善箇所についての情報提供をシステムエンジニアにできるようになるでしょう。
悪意ある何者かによりサイバー攻撃を受けた場合には、サイトは一時停止をし、データー回復のための身代金を要求してくるソフトウェアであるランサムウェアの有無の確認・対策・実装などをします。
この場合の実装は、プログラマーの仕事になりますが、情報セキュリティマネジメント資格により、マルウェア対策などの知識を身に付けていれば迅速かつ完璧な対応ができるようになるでしょう。
セキュリティ対策を十分に取り入れた設計・実装のことをセキュアプログラミングといいます。
情報セキュリティマネジメント資格を取得する際に得られる、機密性・完全性・可用性、ISMS、アクセス管理などの情報セキュリティに関する知識は、セキュアプログラミングをする際に非常に役に立つのです。
以上のようなことがあるため、情報セキュリティマネジメント資格保持者のプログラマーは、就職・転職の際に有利にことを運びやすくなるといえるでしょう。
(3):ITコンサルタント
ITコンサルタントはITに関する専門家で、IT戦略の策定・システムの見直し・新システム導入の提案・システムの最適化・動作検証などの業務を行う方を指します。
指導する立場で絶対にしてはいけないといえることが、クライアントに損失を与えてしまうことではないでしょうか。
情報セキュリティマネジメント資格では、情報セキュリティに関する管理や対策に加えて、「サイバーセキュリティ基本法」「個人情報保護法」「不正アクセス禁止法」などの法規を学習できるので、クライアントに損失を与えてしまうことを少なくすることができるでしょう。
コンサルタントの中でも、セキュリティのアドバイスに重点を置いたセキュリティコンサルタントになり活躍したいと考えている場合には、情報セキュリティマネジメント資格を保有していると、就職・転職の際に特に有利になるかもしれません。
(4):企業の情報管理部
情報管理部門とは、企業内のシステムを管理する部署で、販売管理システムの運用管理や情報の更新、社会ネットワークの整備保守などに加えて、情報セキュリティの確保を行うような部門のことです。
情報セキュリティマネジメント資格は名前からもおわかりになるように、情報セキュリティに特化した資格です。
暗号や認証などの情報セキュリティ全般、情報資産・CSIRTなどの情報セキュリティ管理、アクセス管理や情報セキュリティ啓発などの情報セキュリティ対策などの知識を身に付けることができます。
情報管理部のスタッフを目指している方が、就職時に情報セキュリティマネジメント資格の保有をアピールをすることができれば、採用に有利に働くことになるかもしれません。
インターネット社会の昨今、情報管理部を設置する会社は大企業のみならず中小企業も含めて、今後ますます増加することが予想されるでしょう。
まとめ
情報セキュリティマネジメント資格は、国家資格なので、会社の人事担当や役員などからその情報セキュリティに関する知識は間違いないものと判断される傾向があります。資格を取得するために努力した事実が面接担当から好感を持たれるというのはあるのかもしれません。
この試験の合格率は、以下のとおりです。
・平成28年度:平均79%
・平成29年度:平均58%
・平成30年度:平均50%
・平成31年度:平均49%
上記のとおり、年々合格率は下がってきており、難しくなってきていることが考えられます。
そのため、情報セキュリティマネジメント資格を就職や転職のために取得はお早めに取得されると良いかもしれません。