小学校教諭の年収(給料)はどのくらい?
小学校教諭の平均年収は693万円、給料39万円程度が相場!
小学校教諭(中学校教諭含む、以下同じ)の平均基本月給は全国平均で389,347円です(総務省『平成30年 地方公務員給与の実態』より、以下同じ)。内訳は基本給が359,024円、扶養手当が6,931円、地域手当が23,392円です。
年収に換算すると693万円となります。
男女別で見ると、男性教諭が400,964円であるのに対し、女性教諭は379,815円と若干の格差が見られます。
地域別では特別区立が最も高く438,624円、政令指定都市立が392,427円、都道府県立が388,701円、市立が340,031円、町村立が325,914円と、小学校の設立自治体によって10万円近い格差があります。
これは地域の経済格差(物価など)に応じて設定される地域手当によって生じるもので、給料や手当の格差ではありません。
小学校教諭の平均勤続年数は19.8年で、勤続年数と月給の高さは連動しています。
平均月給は勤続1年未満(20代前半)の215,153円からスタートし、勤続年数30年以上35年未満(50代後半)でピークに達します(427,634円)。
他の職種同様60代に入ると(勤続年数が35年を超えると)月給は減少に転じ、403,866円で退職を迎えます。
小学校教諭の平均年収は「級」と「号」で決まる!
小学校教諭の年収は各自治体が条例で定めることになっています。
ほぼ全ての自治体において、職務の複雑さ、困難さ、責任の度合いによって決定される「級」と、その職務の経験年数や習熟の度合い、勤務成績を反映させる「号給」を組み合わせて決定されます。
小学校教諭の「級」は6段階に分けられており、助教諭・講師等に相当する「1級」、教諭・栄養教諭・専修実習助手等に相当する「2級」、主任教諭相当の「3級」、主幹教諭・指導教諭相当の「4級」、副校長・教頭相当の「5級」、そして最上位が校長相当の「6級」です。
一方、号給は1号給から最大で177号給まで設けられています(東京都の場合、以下同じ)。
1号給で比較した場合、教諭(2級)が178,100円であるのに対し、主幹教諭(4級)は271,100円、校長(6級)は382,300円です。教諭のまま昇格しなくても、経験を重ね、確実に仕事をすれば号給は上昇し続けます。教諭(2級)として最高の177号給まで上り詰めれば、月給は399,200円です。
小学校教諭資格所持者の転職におすすめの転職エージェント「type」
小学校教諭の年収(給料)の例を紹介!
公立小学校教諭 30歳男性の例!
現在の月給は35万円程度で、年収は580万です。初任給は19万円程度で、一般企業にサラリーマンとして就職するのと大差がありません。
しかし、30代も半ばになると企業によっては昇給が思うように進まず、小学校教諭の給与水準は同年代の中では高い部類に入るようです。
元々教えることが大好きだったので、収入そのものにはこだわりがありません。
残業代が支給されないこと、保護者との関係構築が難しいこと、子どもの間の衝突やいじめ問題の処理、問題児の指導など一筋縄ではいかない仕事であること、これらは全て事実です。
しかし、子どもの成長に寄り添える仕事なので、そうしたマイナス面を忘れてしまうほどのやりがいを感じながら働いています。
公立小学校教諭 24歳女性の例!
現在の月給は25万円、年収では420万円ほどです。
小学校では特別支援学級の担任の職務に就いています。特別支援学級とは障がいのある児童を集めたクラスのことで、障がいを持つ子どもたちが生活や学習上の困難を克服するために、特別な指導や必要な支援を行っています。
障がい持つ子どもたちに対する教育には困難がつきまといます。思い通りにコミュニケーションができず、自身の技能不足に落ち込むこともあります。
しかし、根気強く接することで子どもが理解してくれたり、子どもたちが成長する姿に仕事のやりがいを感じています。
私の勤めている自治体では、障がい児だけでなく外国籍の児童や、LGBTの児童など多様な児童が就学しています。多種多様な価値観を受容する大切さを感じながら、日々仕事に取り組んでいます。
小学校教諭で年収(給料)をアップさせるには?
教頭以上の役職を目指す!
小学校教諭の給与体系は原則として年功序列方式です。勤続年数が長くなればなるほど、号給が上がり、給与も増えます。
その他の給与アップの方法は役職者になることです。教諭から主任教諭、主幹教諭、教頭、校長と役職が上がれば上がるほど責任は重くなりますが、号給表における級が上昇し、給与は格段に増加します。
教頭職以上であれば諸々の手当を含めて年収は1,000万円に達することも珍しくありません。
もちろん、昇格するためには主任教諭選考、4級職選考、教育管理職A・B・C選考、副校長任用審査、校長選考、校長任用審査などの各種選考を通過しなければなりません(東京都の場合。選考名称は都道府県によって異なります)。東京都の場合、最速39歳で教頭に到達することも可能です。
小学校教諭資格所持者の転職におすすめの転職エージェント「type」
小学校教諭になるには
教職課程を履修し、小学校教員免許の取得。その後、教職員採用試験合格が必須!
小学校教諭になるためには、小学校教職課程を修了する必要があります。
大学で課程を修了すれば一種免許、短期大学で課程を修了すれば二種免許、大学院で課程を修了すれば専修免許を取得できます。また、通学することなく、通信課程で教員免許を取得することも可能です。現在、全国で19の大学・大学院が小学校教諭免許状を取得できる通信課程を提供しています。
免許を取得した後に、各自治体が実施する教員採用試験に合格しないと小学校教諭として働けない点に注意が必要です。教員採用試験は第一次選考と第二次選考があります。
東京都の場合、第一次選考では教養試験(教職・専門)と論文試験が、第二次選考では面接試験(集団面接と個人面接)と実技試験が課されます。
通常、第一次選考は7月、第二次選考は8月から9月にかけて実施されます。自治体によって日程に若干の差がありますので、日程が重複していなければ複数の都道府県の採用試験を併願受験できます。
小学校教諭資格所持者の転職におすすめの転職エージェント「type」