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リスキリング×DX コラム

DXとは何か?なぜDX推進が企業に求められているのかをわかりやすく解説!

DXとは何か?なぜDX推進が企業に求められているのかをわかりやすく解説!

最近耳にするようになった「DX」とは一体何なのでしょうか?企業がDX推進を求められている理由と、DX推進の課題、リスキリングとの関連性についてわかりやすく解説します!

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公開:2022-05-30 13:00 (最終更新:2024-04-22 17:00)

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DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

DXはどのような意味なのか

近頃「DX」が話題となり、ニュースなどで取り上げられる機会が増えてきています。
そもそもDXとは、何を意味するものなのでしょうか?

DX(デジタルトランスフォーメーション)は、2004年、現インディアナ大学の教授であるエリック・ストルターマンが提唱した言葉です。

トランスフォーメーションは、英語で「変化・変形」という意味です。
したがって、DXは、「デジタルによって社会や生活が変化すること」を意味します。

ちなみに、デジタルトランスフォーメーション(digital transformation)を略した際に、「DX」の表記になるのは、「デジタルと社会の交差(交差=transと同義のcrossの略称がX)」に由来しています。

参考 総務省/令和3年 情報通信白書「第1部 特集 デジタルで支える暮らしと経済」

DXの定義

エリック・ストルターマンは2004年当時、「デジタル技術が人々の生活をあらゆる領域で変化させる」という、社会全体に対するDXを定義しました。

しかし、現在におけるDXの定義は細分化・具体化され、エリック・ストルターマンは2022年2月に以下の新たな定義づけをおこないました。

社会のDX
実社会とデジタルが融合することで、人がより健康で文化的な生活を、将来も継続して送れるようになる。

公共のDX
幅広い領域の行政サービスをスマートに展開。
国民や住民と協働した革新的なサービスを提供することで、自治体の価値向上につながる。
DX推進のためには、組織を改革し、ステークホルダー全員の参加が求められる。

民間のDX
企業の新たな目標達成に向け、商品やサービス提供の仕組みを改革。
顧客に付加価値を提供し、企業全体の価値を向上させる。
デジタル技術を活用した組織改革とシステム構築が必要で、トップマネジメント主導の下、全従業員の参加が求められる。

また、日本では、経済産業省を中心にDX推進活動を展開しています。
経済産業省では、DXを以下のように定義しています。

”企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。”

DXは企業に向けた定義が中心となりつつあります。
日本企業のDX推進は、他国との競争で優位性を保つためにも、最も優先すべき事案になっているといえるでしょう。

出典 
株式会社デジタルトランスフォーメーション研究所/DX定義の改定
中小企業庁「ミラサポplus」  

IT化(デジタル化)との違い

DXは、デジタル技術を用いた社会や生活の変化が定義とされていますが、「IT化(デジタル化)」とはどのように違うのでしょうか?

企業のIT化の推進は、インターネットの普及が始まった1990年代後半からスタートしました。

IT(インフォメーションテクノロジー)は、コンピューターやネットワーク技術のことです。
そしてIT化は、「ITを活用し、アナログ作業をデジタル処理に変換することで、業務が効率化されること」をいいます。

IT化とDXは混同されがちですが、DXは、「デジタル技術を活用し、既存ビジネスの革新および新規ビジネスを創出する」という趣旨になります。

つまり、IT化とは、DX推進のための手段であるといえるでしょう。

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DX推進が企業に求められている理由

DX推進が企業に求められている理由

デジタル社会へ対応する必要がある

1995年にMicrosoftがOS「Windows95」を発売して以降、パソコンが瞬く間に普及しました。
1990年代後半には、携帯電話が普及したことで、モバイル端末によるインターネットの活用が増加。
さらに、2007年、Appleが「iPhone」を発売したことで、スマートフォンの普及が一気に拡大しました。

日本のモバイル端末の普及率は97.3%、個人のインターネット利用率は82.9%にのぼります(情報通信白書 令和4年版による)。
すでに国民のほとんどがデジタル媒体を活用している状況といえるでしょう。
インターネットの利便性は、もはや生活になくてはならない存在なのです。

インターネット利用率の推移(個人)

※情報通信白書令和4年版のグラフをBrushUP学びが編集・作成

また、企業が提供する商材やサービスもデジタル化され、ネットワーク経由で提供するクラウドサービスが増加の一途をたどっています。

以前の情報発信元といえば、新聞などの紙面が主でした。
しかし、2000年に5,370万部発行されていた新聞は、2021年時点で3,302万部の発行となり、約4割も減少。
人々の情報収集が、WebサイトやSNSなど、インターネットコンテンツによるものがメインになってきたことを、如実に表しています。

さらに、銀行窓口などの問い合わせ対応も、オンライン対応へと移行しつつあります。

このようなデジタル社会の中で、消費者から選ばれる企業となるためには、サービス内容をデジタル化し、消費者の利便性をより高めていく必要があるといえるでしょう。

出典: 総務省/情報通信白書 令和4年版

一般社団法人 日本新聞協会/新聞の発行部数と世帯数の推移

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新規事業創出のためにもDXが必要

企業が成長を続けていくためには、既存事業の改善はもちろんのこと、新規事業を創出することが不可欠です。

新しく事業を立ち上げ、「売れるもの」を生み出すためには、まず、顧客や消費者の動向やニーズを把握し、分析をおこないます。
これはかねてより知られていることです。

しかし、デジタル社会においては、ネット上の消費者動向について把握する必要があり、膨大かつ広範囲な領域を総合的に分析しなければなりません。
そのためには、ビッグデータ(巨大データ群)の活用方法を知り、AI(人口知能)で効率的な分析をおこなうことが重要になるといえるでしょう。

ビッグデータは従来のデータ管理システムでは対応しきれなかったデータ量を運用することができ、リアルタイムでの効果測定が可能になります。
さらにAIを活用することで、精度の高い自動分析ができるようになり、業務効率化にもつながるメリットがあります。

参考 総務省/令和元年版 情報通信白書「データはどのようにして価値を創出するのか」

老朽化・煩雑化した既存システムを刷新する必要がある

1990年代より、世界中の企業でIT化が進んできました。
その頃から30年が経過しようとしている今、レガシーシステムと呼ばれる、老朽化および長年の増改修により煩雑化した既存システムの問題が浮上しはじめています。

経済産業省では、「2025年の崖」として、以下の企業リスクや課題を提示しています。

レガシーシステムを持つ企業が約8割
レガシーシステムを持つ企業は約8割にも上る。

既存ビジネスへの予算割合の高い企業が大多数
大半の企業が既存ビジネスの運用や維持に予算を割き、新規ビジネスへの投資が難しい状態。

レガシーシステムがDX推進を妨げていると感じる企業は約7割
レガシーシステムの運用・保守にIT人材を割かれてしまい、DX推進に手が回らない企業が多い。

レガシーシステムの継承が難しいと考える企業は6割以上
既存システムの保守・運用が属人化し、継続して使用するのが困難と考えている企業も過半数を占める。

既存システムの老朽化や煩雑化は、属人的な環境を招き、ブラックボックス状態になっているものが多くあります。
また、当時のシステムを構築したIT人材が定年を迎える時期でもあり、既存システムの引き継ぎが困難になっている状況も露呈しています。

日本のとあるメガバンクが、度重なる大規模システム障害を起こしたのも、まさに、レガシーシステムを利用していたことが原因でした。

このように、レガシーシステムを放置することは、企業の成長を鈍化させ、国際競争からの遅れ、さらには経済停滞につながってしまうことが考えられます。

DX推進によって新規ビジネスに踏み出すためにも、早急な既存システムの刷新が求められているといえるでしょう。

出典 経済産業省/DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~

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DX推進への課題

DX推進への課題

DX推進のためには、DX人材が必要

これからの時代、企業が発展していくには、DXによるビジネス改革が重要な鍵を握ります。

そして、DXのためには、デジタル技術の導入およびデジタルを活用し、事業の方針決定や運用を担う人材が必要です。

しかし、DX推進が始まったばかりの日本では、DXに対応できる人材が圧倒的に不足しています。
これがDXがなかなか浸透しない原因の1つになっています。

DX推進の課題として、DX人材をいかに確保できるか?が大きな焦点になってくるといえるでしょう。

リスキリングでDX人材育成を

数少ないDX人材の確保は容易ではなく、採用のための費用が膨れ上がるなど、企業の経費を圧迫する恐れがあります。

また、DXは、事業の方向性を決める企業のトップから事業を運用する現場の社員まで、全員が対応できることが望ましいです。
DX人材を1~2名採用したところで、すぐに効果を得ることは難しいでしょう。

そこで現在注目されているのが、リスキリングによる人材育成です。

リスキリングは、企業の事業戦略に合わせた社員の再教育のことをいいます。

例えば、DX推進の部署を新たに創設した場合に、その部署の業務に必要なスキルを社員に習得させ、配置転換するといったケースです。

社員がDX人材としてのスキルを習得することは、経費を抑えながらのDX推進につながります。
さらに、企業理念や風土を理解している既存社員のリスキリングは、企業の長所を継承しながら新たな事業を展開できるというメリットがあります。

日本においてもリスキリングに着手している企業が出てきており、早くからリスキリングを始めた企業のなかには、DXの成果が現れているところもあります。
企業の将来のために、リスキリングは大いに検討すべき社員教育といえるでしょう。

参考 経済産業省/第2回 デジタル時代の人材政策に関する検討会

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