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リスキリングコラム

経済産業省が取り組むリスキリング施策を、まとめて解説します!

経済産業省が取り組むリスキリング施策を、まとめて解説します!

海外では、国策でリスキリング支援を実施中。一方、日本は政策検討を開始したばかりです。日本のリスキリングを推進する経済産業省の取り組みや検討案の進捗について、まとめて解説します!

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公開:2022-06-14 10:00 (最終更新:2024-04-22 17:00)

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「デジタル時代の人材政策に関する検討会」で政策を検討

「デジタル時代の人材政策に関する検討会」で政策を検討

経済成長のためには、企業のDX推進が必須であることが世界共通の認識となっています。

欧米、アジア各国では既に、DX推進に必要不可欠なDX人材の育成を国を挙げて支援。政策としてリスキリングに取り組んでいます。

学習機関の開設やスキル習得機会の提供をおこなうなど、企業と国民のDXスキル習得をサポート。
特に中小企業のDX人材育成に注力しており、さまざまな政策を展開しています。

一方日本は、2021年から政策検討に入ったばかりの段階で、2021年2月より経済産業省が「デジタル時代の人材政策に関する検討会」を開始しました。

DX推進で変化していく社会のなか、企業の人材活用も変化していく必要があります。

検討会では、新時代のデジタル人材についてどうすべきかを焦点に議論を進めているところです。

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政策についての検討内容

デジタル時代の人材政策に関する検討会において検討されている内容は、大きく以下3つです。

DX人材確保のあり方について
DX人材が活躍できる人材市場の形成

デジタルスキルの継続的な学び直しについて
継続的にスキルをアップデートするための、学習環境の整備

DX人材育成と評価のあり方について
IT関連国家資格の試験の再考や能力評価の見える化と市場での共有方法

以上のように、「新たな時代に即したデジタル人材政策の方向性」を主軸とした検討会を実施しています。

出典 経済産業省/第1回 デジタル時代の人材政策に関する検討会「本検討会の概要」

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経済産業省が推進中のリスキリング施策

経済産業省が推進中のリスキリング施策

デジタル庁を設立するなど、国全体のDX推進を図ろうとしている日本。
その中で、リスキリングによるDX人材育成推進を主導しているのが経済産業省です。

現在、経済産業省が推進しているリスキリング施策を以下で解説していきます。

巣ごもりDXステップ講座情報ナビ ※令和4年中に「マナビDX」へ移行予定

巣ごもりDXステップ講座情報ナビは、経済産業省のサイトに開設している無料でデジタルスキルを学習できる講座紹介のページです。

経済産業省が、デジタル技術に詳しい民間企業に無償で講座コンテンツを提供するよう呼びかけ。
2022年4月8日時点で、40企業が参画し、100講座が展開されています。

講座はオンラインで提供され、AIやデータサイエンス、サービスマネジメントや経営戦略など、豊富なコンテンツを閲覧することが可能です。

参考 経済産業省/巣ごもりDXステップ講座情報ナビ

リスキル講座(第四次産業革命スキル習得講座認定制度)

リスキル講座(第四次産業革命スキル習得講座認定制度)は、経済産業大臣が認定するデジタル技術関連の講座です。

今後雇用の需要が見込まれる、IT・データ領域の知識やスキルを社会人が習得し、キャリアアップを図ることを目的として設立されました。

2022年10月1日時点で、

  • クラウド、IoT、AI、データサイエンス分野:101講座
  • ネットワーク、セキュリティ分野:10講座
  • IT利活用分野(自動車等ものづくり関連):6講座
  •  
 

以上の117講座が認定されています。

併せて、専門実践教育訓練として厚生労働大臣の指定を受けている講座については、人材開発支援助成金や専門実践教育訓練給付金の支給が受けられます。

社員の能力再開発をしたい企業、スキルアップしたい個人いずれも活用できることが、大きな特徴といえるでしょう。

出典 経済産業省/第四次産業革命スキル習得講座認定制度
参考 
厚生労働省/教育訓練給付制度
人材開発支援助成金

デジタル人材育成プラットフォーム(マナビDX)

経済産業省は2022年3月29日、「マナビDX(デラックス)」というデジタル人材育成プラットフォームを開設しました。

AIやクラウドなど、デジタルに関連する知識やスキルを習得できるポータルサイトとなっており、誰でもデジタルスキルを学ぶことができるコンテンツを展開しています。

基礎的な内容から実践的な内容までを網羅しており、テーマやカテゴリ別に検索・選択することが可能です。

講座は無料と有料にわかれますが、有料講座の中には受講料補助つきの講座もあります。
深くスキルを身につけるためにも、補助制度を活用しながら学ぶことが推奨されます。

出典 経済産業省/デジタル人材育成プラットフォーム「マナビDX」を開設しました!
参考 マナビDX

九州半導体人材育成等コンソーシアム

九州は元々、半導体関連産業が盛んであり、1980年代の最盛期には生産量の世界シェアが約10%を占めるにまで成長。「シリコンアイランド九州」と呼ばれるようになりました。
しかし、1990年代のバブル崩壊以降、日本の半導体産業は衰退。九州も同様の状況に陥ります。

ところが2021年11月、世界最大手の半導体製造会社であるTSMC(台湾積体電路製造股份有限公司)が、熊本県に半導体工場を建設することを発表しました。

世界最先端の半導体製造技術を持つTSMCが九州に進出することで、最先端技術に通じた約1,500人の雇用が見込まれています。

半導体は、DX化に必要なデジタル技術の基盤となるものです。
経済産業省は、今回のTSMCの日本進出を機にシリコンアイランド九州の復活に向けた施策を打ち出すことを決定。
まずは半導体技術最新スキルを持つ人材育成に着手するため、2022年3月に「九州半導体人材育成等コンソーシアム」を設立しました。

産学官一体となったこのコンソーシアムは、

  • 人材育成
  • サプライチェーンの強化
  • 海外との産業交流促進

以上の3つを目標に、九州から日本の半導体産業の盛り返しを図る予定です。

出典 経済産業省 九州経済産業局/「九州半導体人材育成等コンソーシアム」の概要

高等教育機関における共同講座創造支援補助事業

デジタル領域など、急激な産業構造の変化が進行。
そのため、高度専門スキルを保有する人材の育成が急務になっています。

そこで経済産業省は2021年、企業が高等教育機関で共同講座などを開設した場合に費用補助を行う事業の実施を決定しました。

事業の予算総額は3.6億円。
講座開設などの当該費用の1/2、上限3,000万円を補助します。

産学共同で成長分野の人材育成に着手する、新しい取り組みになるといえるでしょう。

出典 厚生労働省/第27回中央訓練協議会 経済産業省における人材育成施策  

「人材版伊藤レポート」の公表(人的資本経営の実現に向けた検討会)

伊藤レポートとは、伊藤邦雄一橋大学名誉教授(現在)が座長となり開催された、経済産業省「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~」プロジェクトにおいて、2014年8月に発表された最終報告書のことを指します。
「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会」も、伊藤氏が座長を務めることから、「人材版伊藤レポート」の名称がつけられました。

人材版伊藤レポートは、企業の経営環境が変化する中で人材戦略をどのように構築・促進すべきかという観点に基づき、その視点やポイントがまとめられています。

また、経済産業省が開催する「人的資本経営の実現に向けた検討会」において、人材のリスキリングや多様な働き方などを討論し、経営戦略と人材戦略を紐づける方法を指南します。

なお、人材版伊藤レポートは、これまで、2020年9月、2022年5月の2回発表されています。

参考 
経済産業省/持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 報告書 ~人材版伊藤レポート~
人的資本経営の実現に向けた検討会 報告書 ~人材版伊藤レポート2.0~

「未来人材ビジョン」の策定(未来人材会議)

  • デジタル化の急速な進展
  • 脱炭素化の世界的潮流
  • 日本企業の産業競争力の低下

以上のような課題を多数抱える日本。
グローバル社会で競争していくためには、人材の育成が欠かせません。

2030年・2050年の産業構造の将来を見据え、今後の人材政策を検討するため、経済産業省主催の下、2021年12月より「未来人材会議」がスタートしました。

2022年5月には、中間とりまとめとして「未来人材ビジョン」が発表されています。

デジタル技術による業務の自動化は、製造職・事務職・販売職の仕事を減らし、医療や対人サービス職と専門・技術職の2極化に傾向。
脱炭素化により、化石燃料関連産業の雇用が大きく減少するという予測も立てられています。

日本における職業別就業者シェアの変化

※グラフは経済産業省「未来人材ビジョン」より引用

このような時代の流れの中、企業が発展していくためには、リスキリングによる従業員スキルチェンジの実施が前提となってくるといえるでしょう。

出典 経済産業省/未来人材ビジョン

「デジタルガバナンス・コード2.0」の策定

経済産業省は2020年11月、企業の経営者を対象に、「デジタルガバナンス・コード」という、DX推進の自主的な取り組みを促す手引きを公表しました。

さらに2022年1月より、「コロナ禍を踏まえたデジタル・ガバナンス検討会」においてデジタルガバナンス・コードの改訂を検討。
2022年9月、「デジタルガバナンス・コード2.0」が策定されました。

デジタルガバナンス・コード2.0では、企業のDX推進重要項目の1つとして、デジタル人材の育成・確保に関する以下の内容が追記されています。

DX推進に向けた組織としてのデジタル人材育成・確保の取り組み

  • 経営幹部から現場社員までそれぞれに、主体的に動けるような役割と権限を規定する。
  • 現状とのギャップを確認。事業戦略に必要とするデジタル人材の定義、必要スキルの明確化および評価制度を確立する。
  • リスキリングまたはリカレント教育によって、全社員のデジタルリテラシーを向上させる。
  • 経営トップ自らがDX推進についての知見を深め、雇用の流動化や人材の多様性など、企業カルチャーの変革に取り組む。

出典 経済産業省/「デジタルガバナンス・コード2.0」を策定しました

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リスキリングとリカレント教育の違いとは?企業はどちらを導入して社員教育をおこなうべき?

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今後政策として求められる取り組み

今後政策として求められる取り組み

企業にDX推進の必要性を周知する

ビジネスの創造・革新のためにDX化が重要であることは、明白な状況となっている昨今。

しかし、日本はDX推進が滞っています。これは、企業の経営層の理解不足によるものが一因とされています。

何のためにDXが必要なのか?というDX推進において根幹となる部分を国が先導して発信していく必要があるでしょう。

DX化を含む経営戦略や企業体制の構築方法の提案が、日本のDX推進のポイントになります。

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DXとは何か?なぜDX推進が企業に求められているのかをわかりやすく解説!

企業へのリスキリング促進

企業がDX推進を始めようにも、DX人材が日本の市場に少ないという大きな問題が立ちはだかっています。

また、DX人材は国内のみならず、海外でも獲得を目指す動きが出ています。
海外は国籍を問わず、高度スキルを持つDX人材に対し、日本より高給で募集をかけていることも。

DX人材獲得競争は世界的に発生しており、給与や採用費の高騰は避けられないといえるでしょう。

しかし、DX推進を強化しなければ日本の経済成長は一層苦しくなることが考えられます。

企業内部のDX人材育成を進めるためにも、政策として

  • 社員が学び直す重要性を説く
  • DX化に必要な人材のスキルの具体化を示す

など、リスキリングを促進していく必要があるといえます。

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中小企業のDX化が進まない理由とは?DX推進の課題と導入メリットを徹底解説!

学習環境の整備

中小企業や地方企業は、リスキリングへの予算確保が難しく、学習環境を整備するのが困難であるケースが考えられます。

国が学びの場を創出し、企業の参加を促すことがリスキリング推進のために不可欠といえるでしょう。
海外では、国が学習プラットフォームを開設し、中小企業のリスキリングを支援する取り組みが始まっています。

企業の従業員が活用しやすい環境を整備し、継続的にDXスキルをアップデートできるよう、官民連携で政策に取り組むことが望まれます。

関連記事:
DX推進のためにはリスキリングが不可欠!関係性を詳しく解説!

人材の能力・スキルを見える化する

企業のDX推進に必要なスキルが明確でない場合、DX人材の育成がままならず、DX化が進まない要因となってしまいます。
DX人材に必要なスキルの指標やキャリアマップを提示したうえで、DX人材育成を実施することが重要です。

また、今後、日本従来のメンバーシップ型雇用から、ジョブ型雇用へ移行する企業の増加が想定されています。

ジョブ型雇用は、その人材のスキルに対して職務を与えることが特徴です。
スキルを明確化するためにも、業界共通の指標があるべきでしょう。

そこでデジタル時代の人材政策に関する検討会では、人材が学んだ履歴や取得資格の見える化を提案。
具体的には「デジタルバッジ」を用いて、共有をおこなうという構想が持ち上がっています。

デジタルバッジとは、世界的標準規格に基づいて発行されるデジタル証明書や認証のことを指します。

アメリカをはじめとする海外では、データベースやプラットフォームによる国民のスキルの共有化が進んでおり、日本でも実施すべき案件といえるでしょう。

国が企業のリスキリングをサポートできるかどうかで、日本のDX推進の速度が変わってきます。
日本の将来のために、できるだけ早い政策方針の決定が待たれます。

出典 経済産業省/第3回 デジタル時代の人材政策に関する検討会「今後に向けた取組(案)について」
参考 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)/ニューヨークだより2020年11月号「保有スキル等の見える化手段と活用状況(アメリカ、カナダ、ドイツ)」

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