「介護職員初任者研修」と「介護福祉士実務者研修」の2つの資格の違いは?
(1)カリキュラム・受講科目が異なる!
まず、この2つの資格での違いであげられるのがカリキュラムや受講項目が異なることです。
介護職員初任者研修の場合
介護職員初任者研修は、全9科目、合計130時間のカリキュラムで構成されます。
内容は教材を使って学ぶ講義のほかに実際に体を使って介護技術を学ぶ実技があり、すべての授業を修了したあとに理解度を確認するための修了試験が実施されます。
この修了試験に合格すると資格取得となります。
介護福祉士実務者研修の場合
一方、介護福祉士実務者研修は、全部で20科目と介護職員初任者研修に比べて随分科目数が多いことがわかります。
これにともない当然受講時間数も増えるため、受講時間は450時間にもなります。
介護福祉士実務者研修は、実務経験だけでは習得できない知識や技術を学ぶことで、幅広い層の利用者に介護サービスが提供できるようになることを目的として学びます。
いわば、介護職員初任者研修の上位資格といわれるものになります。
資格別の免除時間
前述のように、介護福祉士実務者研修はとても時間数が多いのですが、実はすでに取得している資格によって受講内容の一部が免除されます。
各取得資格に対する免除時間は以下のとおりです。
・ホームヘルパー2級:130時間
・ホームヘルパー1級:355時間
・介護職員基礎研修:400時間
また、介護福祉士実務者研修では修了試験はおこなわれませんが、各科目の修了後に筆記試験がおこなわれます。
(2)介護福祉士の受験資格になるかどうか!
次にあげられる違いが、介護福祉士国家試験の受験資格になるかならないかということです。
実務者研修修了が受験資格になる
結論からいうと、介護職員初任者研修の修了では国家資格である介護福祉士の受験資格として認められません。
一方で、介護福祉士実務者研修を修了していると、同資格の受験資格として認められます。
これは、2016年度(第29回)の試験から定められたもので、実務経験を経て介護福祉士国家試験を受験するルートの場合には必須条件とされています。
具体的には、介護の実務経験3年以上に加えて、介護福祉士実務者研修修了が義務付けられた形となりました。
実務経験の注意点
この場合の実務経験3年は、ただ在籍期間があればよいわけではありません。
従業期間3年(1,095日以上)かつ、従事日数540日以上を満たす必要があります。
年次有給休暇や特別休暇、出張、研修などで実際に介護業務に従事しなかった日数は除かれますのでご注意ください。
また、受験申し込み時に実務経験の日数条件を満たしていなくても、試験実施年度の3月31日までに従業期間および従事日数が上記の日数以上となる見込みがある場合は、実務経験見込みとして受験できます。
得られるものが異なる
結果的に介護職員初任者研修と介護福祉士実務者研修は、どちらも無資格・未経験で、介護に関する知識がなくても受けられる研修ですが、その先で得られるものが異なります。
介護福祉士国家試験を視野に入れている場合や介護職員として一層のキャリアアップを目指したい場合は、介護福祉士実務者研修の受講を計画しましょう。
(3)サービス提供責任者になれるかどうか
実務者研修修了は該当
サービス提供責任者を目指す場合にも、介護職員初任者研修と介護福祉士実務者研修の違いがあります。
介護職員初任者研修の修了だけではサービス提供責任者の役職に就けませんが、介護福祉士実務者研修を修了しているとサービス提供責任者として働くことができるのです。
サービス提供責任者の仕事内容
このサービス提供責任者とは、介護業界で「サ責」とも呼ばれるもので、介護サービスを提供する場においてケアマネジャーや介護ヘルパーとの連絡・調整をするコーディネーター役です。
具体的には、ケアマネジャーが立てた介護プランをもとに介護サービスの計画を立案したり、介護ヘルパーへの指示や指導をおこなったりするのが主な仕事です。
それ以外にも、利用者の家族とコミュニケーションをとることで提供する介護サービスの説明や同意を得たり、介護ヘルパーの支援をしたりします。
場合によっては、経験の浅いヘルパーが利用者宅へ訪れる際の同行訪問やモニタリングをすることもあります。
このように利用者に質の高いサービスを提供することを目的とした仕事は多岐にわたります。
いわばサービス提供管理者は、訪問介護サービスの要となる存在なのです。
配置義務について
また、指定訪問介護事業所においては、利用者数40人に対し1人以上のサービス提供責任者の配置義務があり、事業として介護サービスを提供するうえでも重要な存在となっています。
なお、このサービス提供責任者は実務経験期間に関係なく就くことができ、給与や待遇の改善も期待できます。
(4)たん吸引などを学べるかどうか
この2つの資格の違いは、学べる内容にもあります。
介護職員初任者研修では、たん吸引などを学ぶことができません。
一方で、介護福祉士実務者研修は受講カリキュラムに含まれています。
喀痰吸引等研修とは
このたん吸引などの研修は「喀痰吸引等研修」といい、介護職員が一定の条件下であればたん吸引等の実施が可能となったために、2012年4月からおこなわれるようになった研修です。
たんの吸引(口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部)と、経管栄養(胃ろう・腸ろう・経鼻経管栄養)をおこなうことのできる介護職員等を養成することを目的とします。
この研修は「講義50時間(5項目)と演習で構成される基本研修」と「基本研修で学んだ5項目の中から実際に規定回数を実施する実地研修」に分かれています。
就職・転職に有利
高齢者社会が進むにつれて、在宅や老人ホームなどの施設でもたん吸引や経管栄養のニーズは高まってきています。
介護福祉士実務者研修を受講し、これらの知識を学ぶことができれば、介護業界で実践力になれるため就職や転職においてとても有利になります。
「介護職員初任者研修」と「介護福祉士実務者研修」2つの資格に共通していることは?
どちらも国家資格ではない!
ここまで介護職員初任者研修と介護福祉士実務者研修の違いについてお話ししてきましたが、この2つの資格には共通点もあります。
それはどちらも国家資格ではないということです。
介護福祉士実務者研修は「文部科学大臣および厚生労働大臣の指定した学校、または厚生労働大臣の指定した養成施設において、介護福祉士として必要な知識と技能を修得するための研修」とされています。
それに対し、介護職員初任者研修は「厚生労働省認定の修了試験のある研修」とされ、公的資格です。
履歴書に記載できる資格
どちらも国家資格ではありませんが、介護についての知識とスキルを持っている証明になり、履歴書に書くことができる資格です。
また、働く事業所などによってはそれぞれの資格によって資格手当がつくことがあります。
就職・転職の際には、これらの資格を持っていることをしっかりと履歴書に記載しましょう。
「介護職員初任者研修」と「介護福祉士実務者研修」どちらを受講をするべき?
こんな人には介護職員初任者研修がおすすめ
初任者研修をおすすめするのは、このような方です。
(1)未経験者、初学者
初任者研修は、介護資格のなかでも基礎的な知識やスキルを学ぶ入門編といわれる資格です。
そのため、介護をまったく知らない方でも基礎から学び、介護業界への知見を広げるのに向いています。
基礎から段階的に学んで介護への理解を深めたい方、これから介護職員を目指す方におすすめです。
(2)費用を抑えたい方、早く資格を取りたい方
実務者研修と比較すると、初任者研修は多くの場合、受講費用が低めに設定されています。
スクールによってはキャンペーンなどもおこなわれ、それを活用すればさらに安く受講できます。
費用をあまりかけたくない方に向いています。
また、初任者研修は、基本的に通信講座とスクーリングで資格取得を目指します。
通学での取得ももちろん可能ですが、通信講座を活用すればスクールに通う時間をぐっと抑えることができます。
そのため、なるべく短時間で資格を取りたい方にも向いています。
(3)家族のために学びたい方
また、学ぶ目的が家族の介護のために学びたい方にもおすすめです。
初任者研修では基礎的な知識やスキルが学べるため、日常の介護に役立ちます。
こんな人には介護福祉士実務者研修がおすすめ
実務者研修をおすすめするのは、このような方です。
(1)介護福祉士になりたい方
いずれ介護福祉士の資格を取りたいと思っている方には、実務者研修の修了は必須です。
速やかな取得のために事前に実務者研修を取得しておくとよいでしょう。
(2)サービス提供責任者になりたい方
実務者研修の資格を取得することで、サービス提供責任者として働くことができます。
サービス提供責任者は幅広い仕事ができるだけでなく、一定基準の介護事業所に配置が義務付けられているため需要が高く、報酬アップも期待できます。
早期キャリア形成を目指す方におすすめです。
(3)上位資格の取得を目指す方
すでに介護業界で働いていたり関連資格を所有している場合、キャリアップや給与アップのために上位資格の取得を目指す方もいるでしょう。
目指す資格によっては実務者研修を取得していることで受講の一部が免除され、受講期間短縮につながります。
(4)勉強時間がある程度取れ、費用面にも余裕がある方
実務者研修は、初任者研修の上位資格であるため、取得することで仕事の幅は広がります。
しかし、初任者研修とカリキュラムを比較すると320時間も長くなっているため、その分修了までに時間がかかります。
さらに、きちんと理解するための予習や復習も必要になるので、ある程度勉強時間が取れる方に向いています。
また、費用も初任者研修に比べると高くなっています。
初任者研修を修了してから実務者研修を受講したい方は両方の費用がかかります。
このようなことから、費用面にも余裕がある方に向いているといえます。
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