介護福祉士のファーストステップ研修とはどのようなもの?
キャリアアップ、チームリーダー養成を目的とした研修!
冒頭で簡単にお話ししましたが、ここでは「介護福祉士ファーストステップ研修」とは、どのようなものであるかをもう少し詳しくご説明します。
専門性を高める研修
介護福祉士ファーストステップ研修は、その名前が表すとおり、介護福祉士の専門性を高めるための研修です。
これまで行われてきたケアモデルや実務経験での自分の業務を振り返り、既定のカリキュラムを修了することで、「尊厳を支えるケア」を実行するための役割と能力を備えた介護福祉士のキャリアアップを目指します。
小規模チームのリーダー育成が目的
また、ユニットリーダーやサービス提供責任者などといった小規模チームのリーダーを育成することを目的としています。
これによってリーダーシップスキルの向上や介護福祉士としての専門性を高めることができるとされています。
受講条件、開催場所、費用について
それでは、介護福祉士ファーストステップ研修を受けるための受講条件、実際の開催場所や費用についてそれぞれご紹介します。
受講条件
介護福祉士の資格を取得後、2年程度の実務経験者の方を対象としています。
取得後2年以上経過している方も対象です。
また、現役の介護福祉士が望ましいとされています。
開催場所
全国社会福祉協議会(全社協)から認定を受け、「介護福祉士ファーストステップ研修」を開講している養成施設やスクールで開催されます。
主に、日本介護福祉士会の各都道府県支部などで開催されています。
受講を希望される方は、お住まいの都道府県のホームページなどをご確認ください。
費用
費用は機関によって異なります。
また、介護福祉士会が実施している研修の場合、会員価格と一般価格で金額が変わることが多いようです。
会員の場合は約5~8万円、非会員の場合は約10~15万円と幅がありますが、会員である場合はかなり費用が抑えられるようです。
ちなみに、公益社団法人 東京都介護福祉士会で受講する場合は、一般価格が140,000円、会員の場合は90,000円とされています。
詳しくは各機関のホームページをご確認ください。
研修内容について
次に、介護福祉士ファーストステップ研修の内容についてご紹介します。
介護福祉士ファーストステップ研修では、具体的な技術を有する介護者としての役割、介護技術の指導をする者としての役割、介護職チーム内でのサービスをマネジメントする役割を担えるリーダーを養成していく内容となっています。
中でも集合演習では、映像や、実践に近い形での演習・ディスカッションを中心に学びます。
他の施設で働く受講者の方とともに考え、話し合うことで新たな気付きを得ることができるかもしれません。
約200時間学習する
研修内容は「ケア」、「連携」、「運営管理基礎」と3つの領域について約200時間学ぶものとなっています。
内訳としては、全国社会福祉協議会によるとケア領域が72時間、連携領域が48時間、運営管理基礎領域が80時間となっていますが、実施期間によっては多少時間数などが異なるようです。
各領域で学ぶ内容は下記のとおりです。
ケア領域
小規模チームにおけるリーダー的な職員として、的確な判断と対人理解に基づく尊厳を支えるケアが実践できるよう、以下の内容について学びます。
・利用者の全人性、尊厳の実践的理解と展開
・介護職の倫理の実践的理解と展開
・コミュニケーション技術の応用的な展開
・ケア場面での気づきと助言
連携領域
小規模チームにおけるリーダー的な職員として、介護過程の適切な管理をはじめ、他職種・家族・地域との連携によるチームケアが推進できるよう、以下の内容について学びます。
・家族や地域の支援力の活用と強化
・職種間連携の実践的展開
・観察・記録の的確性とチームケアへの展開
運営管理基礎領域
小規模チームにおけるリーダー的な職員として、サービス管理や運営管理の基礎となる知識や方法を学びます。
・チームのまとめ役としてのリーダーシップ
・セーフティマネジメント
・問題解決のための思考法
・介護職の健康・ストレスの管理
・自職場の分析
介護福祉士のファーストステップ研修のメリットは?
リーダーとしてのスキル習得、キャリアアップのメリットがある!
ここまでのご説明で、介護福祉士ファーストステップ研修における概要や対象、内容などについてはご理解いただけたのではないかと思います。
それでは、この研修を受講することにどのようなメリットがあるのでしょうか。
専門性の高い介護スキルを身につけられる
研修の中で、高い専門性を持つ介護スキルを身につけることができます。
リーダーシップの向上を目指せる
「ケア」、「連携」、「運営管理基礎」の3領域をしっかりと学ぶことにより、これらの領域において小規模チームのリーダーとして必要な知識やスキルを習得することができます。
自己分析による気づきが得られる
ほかの受講生の話を聞いたり、グループワークをしたりする中で日々の業務を振り返り、これまで気づかなかった自分自身の利点や欠点に気づくことができます。
また、今後自分がどうするべきかを考えることで、介護福祉士としてのステップアップが見込め、キャリアップにつながるのではないでしょうか。
職場のメンバーや利用者の方からの信頼を得られる
学習に基づく指導方法や的確な助言ができるようになることで、チームリーダーとしての信頼を得られるでしょう。
また、そうすることで職場全体におけるサービスの質が向上することも期待ができ、結果的に利用者の方からの信頼にもつながると考えられます。
まとめ
ここまで「介護福祉士ファーストステップ研修」についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
介護福祉士として実際に現場で働いていらっしゃる方が、より一層のスキルアップ、そしてキャリアアップを目指すことができるのが、この介護福祉士ファーストステップ研修です。
また、普段はなかなか意見を交わすことのできない他施設の介護福祉士とともに学び、考え、意見を出し合うことで専門的な知識を身につけるだけでなく、さまざまな気づきや今後の課題を見つけることができるでしょう。
2年を超える実務経験をお持ちの介護福祉士の方は、ぜひこの研修を受講し、そこで学んだことをご自身の施設で活かしていただきたいと思います。