ケアマネジャーの仕事内容
(1)利用者との相談
利用者の方にとって最適な介護サービスを紹介するためには、まず利用者ご本人やそのご家族へのヒアリングが欠かせません。
利用者の方のご自宅やすでに利用している施設等へ訪問し、具体的な症状や利用者の方の希望などを細かく把握していきます。
ここでの相談内容によって「要介護度の認定」や「最適なプラン」などが決まるため、今後を決める上で非常に重要な仕事と言えるでしょう。
また、この相談をスムーズに行うためにも、利用者の方及びそのご家族との信頼関係の構築は欠かせません。
介護サービス事業者だけでなく地域包括支援センターや自治体の福祉課などからもこのような相談依頼が舞い込むことがあります。
(2)ケアプランの作成
上記の相談内容を基に「ケアプラン」を作成します。
このケアプランとは、利用者の方一人一人に合わせた介護サービスを提供するための計画書のことです。
要介護度や利用者の方の要望、利用者の状態などによって必要なサービスが異なるため、「どの事業所を使うのか?」「どのくらいの頻度で使うのか?」ということが細かく定められています。
さらに、利用者の方の状態が想定と変化すればその都度作成し直すことが可能です。
ケアプランは3種類
このケアプランは「介護予防サービス計画」「施設サービス計画」「居宅サービス計画」の3種類に分けられます。
「介護予防サービス計画」:介護が必要になる状態を回避するための予防の意味を込めたケアプラン。
「要支援1と2」の方が対象。
「施設サービス計画」:介護老人福祉施設などの介護施設を利用することを前提としたケアプラン。
全ての要介護度の方が対象だが、介護老人福祉施設のみ「要介護3以上」の方が対象。
「居宅サービス計画」:自宅で介護サービスを受けることを前提としたケアプラン。
全ての要介護度の方が対象で、訪問介護やデイサービスなどを利用。
(3)利用者とサービス事業者の調整
作成したケアプランを基に、必要なサービス事業者と「サービス担当者会議」によって計画のすり合わせを行います。
この会議では利用者の方の状態や要望、現状の課題などを共有し、スムーズな介護サービスを提供するために必要なことを準備するというのが一般的です。
サービス事業者それぞれの要望や事情もあるため、それらを汲み取りながらケアプランに組み込むことも必要になります。
実際に介護サービスが開始したら、利用者が抱えるサービス事業者への不満や要望などを必要に応じて代理で伝えなければなりません。
もちろんこの逆も然りです。
このように、ケアマネジャーの仕事はケアプラン作成後も続くため、柔軟に対応できる調整能力なども要求されるでしょう。
(4)介護保険の給付管理
ケアプランに従いサービスを利用することで国から給付金が支給されます。
利用者の方やご家族の負担を減らすための大切なものであり、給付金が無事に支給されるようにするのもケアマネジャーの仕事です。
給付金は毎月請求しなければなりません。
まずは「利用者の方に向けたサービス利用票」と「事業者に向けたサービス提供票」によってサービスが提供されたことを確認してもらいます。
そしてそれを基に「給付管理票」を作成し、必要書類を国民健康保険団体連合会送付することで給付されます。
これを怠ると本来払うべきでない負担を利用者に強いることになるので注意しましょう。
まとめ
ケアマネジャーは、利用者の方が快適な介護サービスを受けるために必要不可欠な存在です。
さらに作成するだけにとどまらず、それが適切に運用されているかどうかもしっかりチェックする必要があります。
利用者の方や事業者側との調整役も務めるため、業務範囲は幅広く柔軟な対応力が求められるでしょう。
高齢化が進行していると言われる日本においては今後さらに需要が高まる仕事であるとも言えます。
そのため手に職を付けておく意味でも、ケアマネジャー資格の取得を検討されてみてはいかがでしょうか?