介護職員初任者研修を無料で取得する4つの方法
介護職員初任者研修を無料で取得する方法は、以下の4つです。
・事業所や施設の資格取得支援制度を利用する
・自治体の資格支援制度を利用する
・介護資格スクールのキャッシュバックキャンペーンを利用する
・ハローワークの職業訓練を利用する
上記を利用することで研修費用の全額が補助され、無料で介護職員初任者研修を取得できます。介護職員初任者研修の受講費用相場は、4万円から8万円の間であり、スクールによって金額が異なります。決して安い金額ではありません。
少しでも費用を抑えて、介護職員初任者研修を受講したい方は、まず無料で取得する方法から探してみると良いでしょう。
事業所や施設の資格取得支援制度を利用する
事業所や施設の資格取得支援制度とは、事業所や施設が介護職員の資格取得を奨励し、業務におけるスキルアップを図る目的で設けられた制度です。利用すると、受講料の全額や一部が補助され、研修を受ける際の負担を大きく軽減できます。
事業所や施設の資格取得支援制度を利用する流れやメリット、デメリットを見ていきましょう。
就職してからの初任者研修を取得するまでの流れ
事業所や施設の資格取得支援制度を利用する場合、勤務している職場が定めている利用方法に従って申し込みます。
しかし、事業所や施設の資格取得支援制度には人数の上限が設けられているため、応募者が多数の場合は面接または抽選で決定されることもあります。事業所や施設の掲示板に情報が掲載されたら、すぐに申し込むようにしましょう。
事業所や施設から資格取得支援制度の利用を認められれば、初任者研修を受講できます。
事業所や施設で初任者研修を取得するメリット
事業所や施設で初任者研修を取得するメリットを紹介します。
・施設によっては研修が出勤扱いとなり給料がもらえる
・勤務日や休みの日を調整してくれ
・実践を交えることで知識が身に付きやすい
事業所や施設の資格取得支援制度を利用すると、職場での実践を交えつつ勉強できるので習得が早くなります。
事業所や施設で初任者研修を取得するデメリット
事業所や施設で初任者研修を取得するデメリットは、以下のとおりです。
・仕事と勉強時間を確保しなくてはいけない
・受講中の転職が難しくなる
・受講場所が限られてしまう
初任者研修には課題もあるため、自宅学習が必要です。そのため、プライベートの時間は確保しにくくなり、仕事と勉強を両立させる必要があります。また、勤務先の資格取得支援制度を利用するため、初任者研修を受講している間は、転職するのが難しくなります。
さらに、受講場所は就業先が提携している養成所を指定されるため、自宅から遠い場合、通学に苦労するでしょう。
自治体の資格支援制度を利用する
多くの自治体では、地域の介護サービスの質を向上させたり、介護職の魅力を高める目的で資格支援制度を設けています。初任者研修の受講料補助や、資格取得後に地域での就労を条件に給付金が提供されるなど、さまざまなサポートが用意されています。
自治体の資格支援制度を利用する流れやメリット、デメリットについて見ていきましょう。
自治体の資格支援制度で初任者研修を取得するまでの流れ
住んでいる都道府県や市区町村が資格支援制度を設けている場合、その制度を利用して初任者研修の費用を補助してもらえます。お住いの都道府県や市区町村の公式ホームページを確認し、初任者研修の資格支援の詳細を見ていきましょう。
例えば、神奈川県横浜市では、介護初任者研修を取得するのにかかる費用の1/2(40,000円)を支給する制度があります。支給されるには、以下の条件を満たしていないといけません。
- ホームヘルパー
- ・登録後1年以内に活動時間が180時間に達したとき
・登録後2年以内に活動時間が360時間に達したとき - ケアワーカー/デイスタッフ(介護職)
- ・勤務日数(1日の勤務時間数は3時間以上)が120日以上に達したとき
・勤務日数(1日の勤務時間数は3時間以上)が240日以上に達したとき
参照 横浜市福祉サービス協会
申し込みは必要事項を記載したうえで、メールやはがき、封書で申請できます。
自治体の資格支援制度で初任者研修を取得するメリット
自治体の資格取得支援制度を利用して初任者研修を取得する際のメリットは以下の2つです。
・無料もしくは費用を一部免除して資格を取得できる
・地域の特性にあった内容を受講できる
就業している事業所や施設が資格取得支援制度を設けていない場合、自治体の資格支援制度の利用がおすすめです。
自治体の資格支援制度で初任者研修を取得するデメリット
一方で、デメリットは以下の内容です。
・費用を全額負担してくれないことが多い
・受講場所が限られてしまう
・勤続年数によっては要件を満たせず受講できない
・申請者が定員を超えてしまうと利用できないケースもある
・手続きをすべて自分でおこなわないといけない
自治体の資格支援制度を利用して取得を目指す場合、通う場所は福祉サービス協会になります。事業所や施設で資格取得を目指すのと同様で、自宅から離れている人は注意しましょう。
また、自治体の資格支援制度を利用して初任者研修を取得すると、手続きをすべて自分でおこなう必要があります。人によっては面倒と感じてしまうでしょう。手続き方法も職員が教えてくれるため、わからないことがあれば何度も尋ねると良いでしょう。
介護資格スクールのキャッシュバックキャンペーンを利用する
近年、多くの介護資格スクールが生徒の獲得を目指して、さまざまなキャンペーンを展開しています。そのうちの1つが、介護職員初任者研修のキャッシュバックキャンペーンです。
介護資格スクールを利用する場合、受講料が必要です。介護資格スクールスクールが定めた条件を満たすことで、受講料が無料になります。スクールには土日コースや夜間コースがあるため、自分のライフスタイルに合わせて資格取得が可能です。
キャッシュバックキャンペーンを利用して初任者研修を取得するまでの流れとメリット、デメリットについて解説します。
キャッシュバックキャンペーンを利用して初任者研修を取得するまでの流れ
介護資格スクールのキャッシュバックキャンペーンを利用して資格を取得したい場合、まず、民間の介護資格スクールを探す必要があります。
・ベネッセスタイルケア
・未来ケアカレッジ関東
・ニチイ
・ヘルス・ケア・サポート ハクビ
上記の民間の介護資格スクールでキャンペーンを実施していないか、探してみると良いでしょう。例えば、ベネッセの場合、初任者研修修了後、ベネッセスタイルケアに入社された方に受講料を全額返金します。
介護資格スクールは全国にあるため、自宅から通いやすい場所を見つけてください。通いたいスクールに電話かネットから申し込み、後日届く契約内容確認書に記入し、受講料をお支払いすると、申し込み完了です。
キャッシュバックキャンペーンを利用するメリット
介護資格スクールのキャッシュバックキャンペーンを利用するメリットは以下のとおりです。
・無料で講座を受講できる
・講座の日程調整に融通が利きやすい
・受講できる会場が多い
・最短1ヶ月で資格を取れる
・紹介された職場に就職するとお祝い金がもらえる
介護資格スクールでは、講座の日程変更が可能なため、スケジュールに合わせて無理のないペースで資格取得を目指せます。さらに、スクールによって就職支援制度を受けられるのもメリットの1つです。
キャッシュバックキャンペーンを利用するデメリット
介護資格スクールを利用するデメリットは、以下のとおりです。
・休日や仕事後にスクールに通う必要がある
・条件を満たさないとキャンペーンを利用できない
・キャッシュバックされるまで期間が空く
キャッシュバックされる条件は、スクールごとに異なり、厳しい条件を設けているところもあります。例えば、ベネッセスタイルケアでは、介護職として内定を受けるとキャッシュバックを受けられますが、採用されるためには面接試験に合格しなければなりません。
また、キャッシュバックされるまで3ヶ月から5ヶ月程度の期間があるため、申し込み費用は一時的に全額自分で負担する必要があります。
ハローワークの職業訓練を利用する
職業訓練とは、ハローワーク(公共職業安定所)が失業者や転職希望者に向けて、さまざまな職業スキルや資格取得を支援するためのプログラムです。介護職員初任者研修や実務者研修も、この中に提供されています。他にも事務系や技術系の資格を取得するための講座も用意されています。
ハローワークの職業訓練を利用する流れやメリット、デメリットについて見ていきましょう。
ハローワークの職業訓練で初任者研修を取得するまでの流れ
ハローワークで初任者研修を受けるには、求職者支援制度または公共職業訓練のどちらかを利用します。
求職者支援制度
求職者支援制度は現在、離職しており雇用保険を受給できていない方が対象です。利用するには、以下の要件に該当する必要があります。
・労働の意思と能力があること
・ハローワークに求職の申込みをしていること
・雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でないこと
・職業訓練などの支援を行う必要があるとハローワークが認めたこと
また、以下の給付金支給要件が設けられています。
・本人収入が月8万円以下
・世帯全体の収入が月30万円以下
・世帯全体の金融資産が300万円以下
・現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない
・世帯の中で同時にこの給付金を受給して訓練を受けている者がいない
・過去3年以内に、偽りその他不正の行為により、特定の給付金の支給を受けていない
・過去6年以内に、職業訓練受講給付金の支給を受けていない
参照 厚生労働省
公共職業訓練
公共職業訓練は、雇用保険を受給している求職者の方が対象です。就職に必要な職業スキルや知識を習得するための訓練は無料となります。利用できる要件は、以下のとおりです。
・失業保険の給付期間が1/3以上残っている(自己都合退職の場合)
・ハローワークから、職業訓練が必要と認められている
・過去1年に退校処分を受けていない
・以前の公共職業訓練終了から、1年以上経過している(過去に公共職業訓練を受けた場合)
職業訓練中も「訓練延長給付」という制度を利用し、失業保険の給付期間を延長して受けられることがあります。ただ、給付がもらえるかは失業保険の残日数に依存するので、受講前に申請の期限を確認してください。
利用できる制度を把握できたら、ハローワークに求職申し込みをして、初任者研修に受講申し込みをおこなってください。わからない点は、最寄りのハローワークに相談してみると良いでしょう。
ハローワークの職業訓練で初任者研修を取得するメリット
ハローワークの職業訓練で初任者研修を取得するメリットを見ていきましょう。
・無料で資格を取得できる
・就職先を紹介してくれる
・面接対策や書類選考へのアドバイスがもらえる
さらに詳しいメリットについて知りたい方は、「介護職員初任者研修をハローワークで取得するメリット」を参照してください。
ハローワークの職業訓練で初任者研修を取得するデメリット
一方で、ハローワークの職業訓練で初任者研修を取得するデメリットは以下のとおりです。
・受講日程があらかじめ決まっている
・資格取得まで期間がかかる
・応募者が多いと人数を制限されてしまう
・利用資格があるかどうかの確認に時間がかかる
ハローワークで初任者研修を取得する場合、基本的には3ヶ月ほどの期間が必要です。早く初任者研修を取得したい方は、適していません。また、ハローワークの職業訓練は求職者のみが利用できます。
現在、介護職や他の業界ですでに働いている方は利用できないので注意してください。
無料にはならないが特定一般給付金というのもある
特定一般給付金とは、「特定一般教育訓練給付金」のことを指します。厚生労働省が労働者の主体的なスキルアップを支援するために費用の一部を支給する制度の1つです。特定一般教育訓練を利用すると、受講費用の40%(上限20万円)が支給されます。介護職員初任者研修だけでなく、大型自動車第一種や税理士などの資格が対象です。
参照 教育訓練給付制度のご案内
特定一般給付金制度を利用する流れやメリット、デメリットを見ていきましょう。
特定一般給付金制度を利用する流れ
特定一般給付金制度を利用するには、以下の条件を満たしている必要があります。
・受講開始日時点で在職中かつ雇用保険に加入している
・離職してから1年以内である
→妊娠、疾病、負傷などの理由により適用対象期間の延長を行った場合は最大20年以内
・今までに特定一般教育訓練給付金を受けたことがない
・雇用保険の加入期間が1年以上ある
最寄りのハローワークで支給要件紹介の手続きをすると、自分が給付対象なのかどうか詳しく調べられます。特定一般教育訓練給付金を受給するには、はじめに訓練前キャリアコンサルティングの受講が必要です。
受給資格確認を受講開始日の1ヶ月前までに最寄りのハローワークで行い、講座の受講を修了すると支給されます。
特定一般給付金制度のメリット
特定一般給付金制度のメリットは、2つあります。
・受講費用が割引される
・国の経済的援助により、さまざまな資格講座を受講できる
特定一般給付金制度は、経済的な負担を軽減し再就職活動に向けたサポートを受けたい方に、新たなキャリアステップを築くことが可能です。
特定一般給付金制度のデメリット
特定一般給付金制度には、以下のデメリットがあります。
・一定の条件を満たしていないといけない
・複数の手続きや書類提出が必要となる
特定一般給付金制度を利用する際には、その制約や条件、手続きの内容をしっかりと把握し、制度のデメリットを十分に考慮することが重要です。制度の利用を検討する際には、ハローワークの窓口で相談すると良いでしょう。
無料で受講が難しい場合は助成金を活用する
介護職員初任者研修を無料で受講することが難しい場合は、各都道府県や市区町村が設けている助成金や給付金を活用すると良いです。介護職員初任者研修の資格取得に向けた助成金や給付金は以下のものがあります。
・職業訓練受講給付金
・母子家庭等自立支援教育訓練給付金制度
・教育訓練給付金制度
各制度には受給資格や規定があるため、ネット検索などで「介護職員初任者研修の助成金・補助金・給付金」と入力して詳細を確認すると良いでしょう。
介護職員初任者研修を取得するならどこがいいか
介護職員初任者研修を取得したい場合、おすすめの受講方法は「これ!」と一概に言うことはできません。人それぞれ重視するポイントが異なります。
・受講スタイル
・通学期間
・サポート体制
・スクールの立地
・費用面
・就労状況
上記のポイントを比較し、自身に合った受講方法を選択して申し込むと良いでしょう。
よくある質問
最後に介護職員初任者研修に関するよくある質問を紹介します。
・介護職員初任者研修の費用負担はどのくらいですか?
・初任者研修と実務者研修どっちが上ですか?
・初任者研修は修了するまで何日かかりますか?
介護職員初任者研修の費用負担はどのくらいですか?
介護職員初任者研修の費用負担は、利用する制度やキャンペーンによって大きく異なります。無料で受講できる場合や、半分の負担で受講できる場合もあるので、利用できる制度やキャンペーンを比較して、できるだけ費用を抑えて受講できる方法を見つけると良いでしょう。
初任者研修と実務者研修どっちが上ですか?
初任者研修は、介護の基本的な知識と技術を身に付けていることを証明する資格です。一方、実務者研修は、初任者研修よりもさらに専門的な技術と知識が身に付く資格です。介護福祉士の受験資格を得るために必要で、初任者研修の上位資格となっています。
初任者研修は修了するまで何日かかりますか?
介護職員初任者研修を修了するまで最短約1ヶ月で取得できる場合もありますが、ハローワークで受講した場合は、最短でも3ヶ月はかかることが多いです。できるだけ早く取得したい方は注意してください。
最短で初任者研修を取得したい方は、「介護職員初任者研修は最短でどのくらいで取得可能?」もあわせてご一読ください。
まとめ
介護職員初任者研修を無料で取得する方法については以上です。初任者研修を無料で受講するには、職場や自治体の資格取得制度、介護資格スクールが提供しているキャンペーンを利用して取得すると良いでしょう。ハローワークの職業訓練で取得をする場合、要件を満たしてないと利用できません。
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